2020年05月07日

2019年度トクホ市場規模6432億円、前年度比微増。食物繊維関連大幅増加

1991 年(平成 3 年)の発足から28年となる特定保健用食品制度。
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会では、特定保健用食品の市場規模調査を実施しています。(※)
1997 年から2013 年度までは隔年実施でしたが、2014年度からは毎年実施しています。

2019年度のトクホ市場は6493億円、品目総数は1074で、前年度から微増し、ほぼ横ばいとなっています。
保健の用途別では「食物繊維」「骨・ミネラル」「中性脂肪・体脂肪」「歯・肌」が伸びています。
一方、減少したのは、「コレステロール」「血糖値」「オリゴ糖」です。

2019年度の調査結果を見てみましょう。

●市場規模と品目数推移
2019年度の市場規模は6493億円(メーカー希望小売価格ベース)と推定され、2018年度の市場規模6432億円に比べ微増し、ほぼ横ばい。
表示許可・承認の調査開始以来、2007 年度をピークに2009年、2011年は減少していたトクホ市場規模だが、2013年度に大きく回復。
2014年度は消費税率アップの影響もあり6135億円とやや減少したものの、微増が続いていたが、2018年度の減少に転じていた。

2019年に表示許可を受けた特定保健用食品は32品目で、2019年12月末現在の表示許可・承認の品目総数は1075で、2018年の1063からは12品目増。

【特定保健用食品の市場規模および表示許可・承認品目の推移】
トクホ市場推移2019.png


●保健の用途別市場規模推移と構成比
保健の用途別市場規模では、2019年度に最も増加したのは、「食物繊維」302.1億円(18年度比144.9%)、次いで「骨・ミネラル」216.3億円(18年度比116.8%)、「中性脂肪・体脂肪」1582億円(18年度比104.2%)、「歯・肌」288.5億円(17年度比101.6%) と続く。

一方、減少したのは、「コレステロール」240.9億円(18年度比73.7%)、次いで「血糖値」111.4億円(18年度比85.3%)、「オリゴ糖」105.6億円(18年度比89.1%)となっている。

売上金額の最も大きい「乳酸菌」は3455.8億円(18年度比99.7%)で微減したが、ピーク時の 2013 年度に近い水準を維持している。

保健の用途別構成比率では、2018年度と同様に「整腸」が 59.5%と最も大きく、次いで「中性脂肪・体脂肪」が24.4%、「歯・肌」が4.4%と続いた。「歯・肌」と「コレステロール」の順が入替わった。
18年度比では、「中性脂肪・体脂肪」の構成比が0.8ポイント「整腸」が0.5ポイント拡大し、「コレステロール」が1.4ポイント縮小した。

【保健の用途別市場規模の推移および構成比】
トクホ用途別市場規模推移(表)2019.png
トクホ用途別伸び率・構成比推移(グラフ)2019.png


●保健の用途別許可品目数推移
前年度から12品目増となる中、2019年に最も増加したのは「中性脂肪、体脂肪」で、18年の10品目減から12品目増となり、192品目となった。
「食物繊維」が 5品目増。「骨・ミネラル」が2品目増。「オリゴ糖」が1品目増。
減少したのは「血糖値」が4品目減、血圧」が3品目減、「肌」が1品目減であった。
トクホ用途別品目推移(表)2019.png


●販売経路別市場構成の推移
販売経路別市場構成は、「スーパー」2842億円(43.8%)、「戸配」1211億円(18.6%)、「コンビニ」1104億円(17.0%)の上位3つで全体の約8割を占めている。

「スーパー」は前年度比100.7%と微増。「コンビニ」は、18年度は大幅に減少し、19年度も前年度比99.0%と微減した。「戸配」は前年度比96.9%と微減。
「ドラッグ・薬局」は403億円(6.2%)で、前年度比99.3%で微減した。
18年度大きく伸びた「通信販売」は292億円(4.5%)で、前年度比77.8%と大きく落ち込んだ。
トクホ販売経路別市場構成推移(表)2019.png


日本健康・栄養食品協会では2019年7月より、特定保健用食品の公正取引規約の策定や公正取引協議会の設立に向けた取組みを行っており、本年3月13日に「特定保健用食品の表示に関する公正競争規約(案)」のパブコメが行われました。
結果公示はまだなされていません。

公的な公正競争規約を設定することで、表示の一層の適正化を図り、特定保健用食品に対する消費者の信頼感を一層高めると同時に、事業者にとっても広告活動を行いやすくすることが狙いです。



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「特定保健用食品の表示に関する公正競争規約(案)」等に関する意見募集について
(e-Gov[イーガブ])
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=235070033&Mode=0
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(※)
特定保健用食品の市場規模調査
(2020年4月1日 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会)
http://www.jhnfa.org/tokuho2019.pdf
調査方法:表示許可商品を持つ企業に対する品目別アンケート調査
調査対象社・品目数:2019年12月末現在許可取得の品目数1075品目を持つ全企業153社のうち、3月末までの失効品目を除く、1071品目、152社
実数回答社数・品目数:1059品目(回収率 98.9%)、145社(回収率 95.4%)


≪関連記事≫
・2018年度トクホ市場規模6432億円、前年度比微減。販売経路別では通販129.7%増の376億円
http://blog.fides-cd.co.jp/article/465714785.html

・2017年度トクホ市場規模6586億円、前年度比微増。品目数1078で減少進む
http://blog.fides-cd.co.jp/article/459976999.html

・2016年度トクホ市場規模6463億円、前年度比微増。品目数1204で微減
http://blog.fides-cd.co.jp/article/449003383.html

・2014年度トクホ市場規模6135億円。「中性脂肪・体脂肪」が躍進
http://blog.fides-cd.co.jp/article/417601555.html

・2013年度トクホ市場規模 6275 億円。2011 年度比121.3%と大幅上昇
http://blog.fides-cd.co.jp/article/394735151.html

・トクホ制度見直し、「新たな科学的知見」「定期的な品質管理」の報告義務化
http://blog.fides-cd.co.jp/article/448777337.html

・平成29年度、特保・機能性表示食品買上調査 2製品が含有量不足。消費者庁の見解は?(消費者庁 2018年4月9日)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/459430938.html

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posted by Fides at 11:49| Comment(0) | 調査・統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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