今回は「オンライン販売による実店舗販売への影響」について、以下の項目を取り上げます。
●オンライン販売による実店舗での販売への影響
●ショールーミング現象(小売業者・消費者)
●ウェブルーミング現象(消費者)
●オンライン販売による実店舗での販売への影響
実店舗での販売への影響:
対象:オンライン販売と実店舗での販売の両方を行っている小売業者
オンライン販売を行うことで、実店舗での販売にどのような影響が生じたかについて。
特に影響はない:59%
売上げが増えた:31%
売上げが減った:5%
売上げが増えた理由について、「オンラインで商品を見てから実店舗に来店する(いわゆるウェブルーミング)消費者が増えた」、「オンライン販売により会社や商品の認知度が上がり、実店舗への集客につながった」との回答がみられた。
顧客層の異同:
オンライン販売と実店舗での販売とで顧客層が異なるのかについて。
異ならない: 40%
異なる: 38%
「実店舗は近隣の顧客の来店が中心で、オンラインは全国である」との回答や、「実店舗は比較的高齢者が多く、オンラインの方が若年層が多い」との回答がみられた。
品揃えの異同:
オンライン販売と実店舗での販売とで品揃えが異なるかについて。
品揃えは全く同じである:19%
品揃えの大部分は同じでだが,いずれか一方でしか販売していないものもある:63%
品揃えの具体的な異同について。
「実店舗での扱い品目が多いため全てをオンライン販売では取り扱えない」との回答がみられた一方、
「オンライン販売に望まれるロングテール商品は実店舗では取り扱っていない」
「実店舗ではターゲットに合わせて商品を絞り込んでいるが,オンライン販売では全商品を販売している」との回答もみられた。
販売価格の異同:
実店舗での販売とオンライン販売とで販売価格について。
差をつけていない: 59%
その時々でどちらが高いかは異なる:25%
オンライン販売価格の方が高い:9%
実店舗での販売価格の方が高い:7%
販売価格の差異の理由について。
「市場価格の変化が各販売形態によって異なるため販売価格は異なっている」
「オンライン販売の方が送料等のコストが掛かるためオンラインでの販売価格の方が高い」
「オンライン販売は価格競争が激しいため実店舗での販売価格の方が高い」との回答もみられた。
●ショールーミング現象(小売業者・消費者)
ショールーミング現象の頻度(小売業者):
対象:実店舗での販売のみを行っている小売業者と、実店舗での販売のほかにオンライン販売等も行っている小売業者
ショールーミング現象を感じる頻度について。
ほとんどないと感じる:44%
たまにあると感じる:38%
頻繁にあると感じる:18%
ショールーミング現象の頻度(消費者):
対象:オンラインモールを利用している消費者
ショールーミングを行ったことがあるか否かについて。
ある:47%
ない:54%
ショールーミングを行ったことがあるものの頻度について。
「月1回未満」が61%、「月1回」が19%。
ショールーミング現象の商品分野別頻度(小売業者):
取り扱っている商品分野別にみると、
「スポーツ用品等」を主に取り扱っている小売業者:
頻繁にあると感じると回答する確率が高くなる傾向。
「化粧品等」又は「家具等」を主に取り扱っている小売業者:
「頻繁にあると感じる」及び「たまにあると感じる」と回答する確率が高くなる傾向。
「生活家電等」又は「衣類等」を主に取り扱っている小売業者:
「たまにあると感じる」と回答する確率が高くなる傾向。
「飲食料品等」を主に取り扱っている小売業者の場合:
「頻繁に感じる」と回答する確率が低くなる傾向。
ショールーミングの対象の商品分野(消費者):
対象:ショールーミングを行ったことがある消費者
ショールーミングの対象となる商品分野について。
「生活家電等」66%、「衣類等」36%、「書籍等」28%、「家具等」26%を占めた。
ショールーミング現象への対応(小売業者):
(ショールーミング現象があると感じている場合)
「対応を採りたいが,特段の対応を採れていない」:62%
「対応を採る必要を感じていない」:23%
「対応を採っている」:16%
ショールーミング現象への対応方法について。
「実体験を楽しんでもらえる売場作り」「実店舗での販売価格とオンライン販売の価格を近づける努力をしている」との回答がみられた。
●ウェブルーミング現象(消費者)
ウェブルーミングの頻度:
対象:オンラインモールを利用している消費者
ウェブルーミングを行ったことがあるか否かについて。
行ったことはない:62%
行ったことがある:38%
ウェブルーミングを行ったことがあるものの頻度について。
「月1回未満」が56%、「月1回」が18%。
ウェブルーミングの対象の商品分野:
対象:ウェブルーミングを行ったことがある消費者
ウェブルーミングの対象となる商品分野について。
「生活家電等」57%、「衣類等」34%、「飲食料品等」31%、「書籍等」26%を占めた。
ショールーミングとウェブルーミングの関係:
ショールーミングを行う者はウェブルーミングも行う傾向が高い
オンライン販売と実店舗での販売の両方を行う小売業者の3割の事業者が、オンライン販売によって実店舗販売の売上増につながったと回答しており、ウェブルーミングや会社や商品の認知度アップによる実店舗への集客効果となっているようです。
一方、対面での商品説明や品質のアピールといった非価格競争を減退させ、価格競争を助長するショールーミングについては、ネット通販ユーザーの約半数が実施しているのに対して、対応を採りたくても摂れていない事業者が6割超となっており、課題を残しています。
次回は「オンラインモール利用消費者の消費行動と小売業者の販売戦略」について、取り上げます。
(※)
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消費者向けeコマースの取引実態に関する調査報告書
(公正取引委員会 平成31年1月)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jan/190129_4houkokusyo.pdf
【調査対象・調査方法】
調査対象:
消費者が事業者からインターネットを介して購入する商品に関する取引
調査方法:
(1)事業者向けアンケート調査(平成30年1月〜2月)
4,339名の事業者に対しアンケート調査票を送付し,1,208名(小売業者848名、メーカー360名)から回答(回答率27.8%)
(2)ヒアリング調査(随時)
延べ117社(小売業者、メーカー、オンラインモール運営業者、価格調査会社・価格自動更新ツール提供業者・価格比較サイト運営業者)に対して実施
(3)消費者向けアンケート調査(平成30年9月)
オンラインモールで月1回以上商品を購入している一般消費者2,000名に対して,インターネット上で実施
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≪関連記事≫
調査・統計 : 調査・報告書
行政や業界団体の調査・報告書を紹介。
http://blog.fides-cd.co.jp/article/179751313.html
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