公益財団法人 日本健康・栄養食品協会では、特定保健用食品の市場規模調査を実施しています。(※)
1997 年から2013 年度までは隔年実施でしたが、2014年度からは毎年実施しています。
2017年度のトクホ市場は6586億円で前年度を僅かに上回りました。
表示許可・承認の調査開始以来、2007 年度をピークに2009年、2011年は減少していたトクホ市場規模ですが、2013年度に大きく回復。2014年度は消費税率アップの影響もあり6135億円とやや減少したものの、微増が続いています。保健の用途別では「血糖値」が減少し、「コレステロール」が伸びています。
品目総数は1078で、2016年度の微減から更に大きく減少しました。保健の用途別では「中性脂肪・体脂肪」以外の用途全てで減少しています。
2017年度の調査結果を見てみましょう。
●市場規模と品目数推移
2017年度の市場規模は6586億円(メーカー希望小売価格ベース)と推定され、2016年度の市場規模6463億円に比べ101.9%と微増した。
2017年に表示許可を受けた特定保健用食品は55品目で、2017年12月末現在の表示許可・承認の品目総数は1078で、2016年の1204から大きく減少した。

●保健の用途別市場規模推移と構成比
保健の用途別市場規模では、2017年度に増加したのは、「オリゴ糖」114.6億円(16年度比142.8%)、「コレステロール」296億円(16年度比109.6%)、「骨・ミネラル」182.2億円(16年度比103.4%)、「中性脂肪・体脂肪」1986.8億円(16年度比101.8%)となっている。
売上金額の最も大きい「乳酸菌」は、2017年度は3188.6億円で、2016年度比101.4%と微増となった。 一方、減少したのは、「血糖値」151.2億円(16年度比93.2%)、「血圧」181.4億円(16年度比97.0%)、「歯」291.5億円(16年度比97.5%)となっている。
保健の用途別構成比率では、2016年度と同様に「整腸」が 53.1%と最も大きく、次いで「中性脂肪・体脂肪」が30.2%と続いた。15年度から構成比に大きな変動は見られない。
【保健の用途別市場規模の推移および構成比】
●保健の用途別許可品目数推移
保健の用途別許可品目で2017年に増加したのは、「中性脂肪、体脂肪」が21品目増となった。2016年に新たな保健の用途として「肌」関連が許可され、2017年は2品目となった。
それ以外の用途はすべて減少しており、「血圧」が27品目減と最も多く、次いで「血糖値」が25品目減、「乳酸菌」が24品目減であった。
●販売経路別市場構成の推移
販売経路別市場構成は、「スーパー」2799億円(42.5%)、「コンビニ」1270億円(19.3%) 「戸配」1140億円(17.3%)の上位3つで全体の約 8 割弱を占めている。
16年度比では、金額が最も伸びたのが「コンビニ」で118.6%増、構成比率は2.7ポイント増となった。次いで「スーパー」は109.2%増となり、構成比率は2.8ポイント増。「通信販売」は102.4%増にとどまり、構成比率は4.4%で増減なし。
一方減少したのは、「ドラッグ・薬局」で395億円となり、16年度比は87.9%と大幅に減少し、構成比率も0.9ポイント減少した。
消費者庁は、2017年3月、トクホの許可申請に関する「健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令」と、次長通知の一部改正を行い、「新たな科学的知見を入手した場合の消費者庁への報告」「第三者機関による定期的な分析の実施及び報告」「販売の有無に関する定期的な報告」を義務付けました。また、買い上げ調査を実施し規制強化の方向にあります。
・トクホ制度見直し、「新たな科学的知見」「定期的な品質管理」の報告義務化
http://blog.fides-cd.co.jp/article/448777337.html
・平成29年度、特保・機能性表示食品買上調査 2製品が含有量不足。消費者庁の見解は?(消費者庁 2018年4月9日)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/459430938.html
また、消費者庁は、トクホの国立健栄研データベースの改修に向けて検討を進めています。2017年1月に消費者委員会が公表した「『健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議』の実施報告に対する意見」の中で、トクホの製品情報公開の義務化し、公開情報の内容充実を図ることを求めていました。
・平成29年度特定保健用食品の有効性・安全性に係る情報公開の拡充に向けた調査事業
(消費者庁 2018年5月30日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/research/2017/pdf/information_research_2017_180530_0001.pdf
健康・医療従事者等の専門家への情報提供だけでなく、消費者向けの情報発信がより積極的になされることで、更に市場の拡大につながることが期待されます。
(※)
特定保健用食品の市場規模調査
(平成30年4月2日 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会)
http://www.jhnfa.org/tokuho2017.pdf
調査方法:表示許可商品を持つ企業に対する品目別アンケート調査
調査対象社:2017年12月末現在許可取得の品目数 1078品目を持つ全企業165社のうち、3月末までの失効品目および失効予定品目ならびに連絡先不明品目を除く、162社
(回収率 97.5% 158社/有効回答、161社)
調査対象品目数:1070品目
実数回答品目数:1057品目
≪関連記事≫
・2016年度トクホ市場規模6463億円、前年度比微増。品目数1204で微減
http://blog.fides-cd.co.jp/article/449003383.html
・2014年度トクホ市場規模6135億円。「中性脂肪・体脂肪」が躍進
http://blog.fides-cd.co.jp/article/417601555.html
・2013年度トクホ市場規模 6275 億円。2011 年度比121.3%と大幅上昇
http://blog.fides-cd.co.jp/article/394735151.html
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