先日、ネット通販でギフト用にある商品を購入したところ、梱包に不備があり、商品本体のパッケージがつぶれていました。
ショップにクレームを入れたところ、代わりの商品と手書きの丁寧なお詫び状が届き、なんだかホッコリしました。
このようなお詫び状だけでなく、ファン作りやリピート促進施策として、手書きのお礼状などを商品に同梱するショップもありますね。
一般に、書き手の気持ちをより伝えたいシチュエーションでは、ワープロより「手書きが良い」と言われています。
でも、実際のところ、本当に相手の思いはワープロより手書きの方が良く伝わるのか、手書きなら雑に書いてもよいのか、科学的に検証した実験結果がありました。
NTTデータ経営研究所が産学共同で組成した応用脳科学コンソーシアム「アナログ価値研究会」が行った「手書きの価値の実証実験」において、手書きの文章(ゆっくり時間をかけて心をこめて書く/自分の書ける最高のスピードでできるだけ素早く書く)と、パソコンで作成した文章が、読み手に与える印象の違いを検証しました。(※)
方法:
(書き手への教示)
心を込める条件の教示:「ゆっくり時間をかけて心をこめて書いてください」(Figure 2a)
速記条件の教示:「自分の書ける最高のスピードでできるだけ素早く書いてください」(Figure 2b)
タイピング条件:「指定された文章をタイプしてください」(Figure 2c)
読み手に対する取得指標:
手紙の印象(思いがこめられているか)
※VAS(visual analog scale)1-100で定量的に評価
視覚的特徴(可読性、美しさ、丁寧さ) ※VASで評価
書き手が手紙を書くのにかけた時間(推定/秒)
結果:
・読み手は「心をこめて書いた条件」で、(速記条件と比べて)「時間がかかった」と推定した。
・読み手が「思いが込められている」と感じた度合い
「手書き:ゆっくり心をこめて」>「手書き:速記」>「タイプ文章」
・読み手が「丁寧である」と感じた度合い
「手書き:ゆっくり心をこめて」>「タイプ文章」>「手書き:速記」
手書きの文章は、タイプされた文字に比べて「思いが込められている」という印象を与える、ということは定説通りでした。
一方、タイプされた文章は、急いで(雑に)書いた文章より「読みやすく丁寧である」という印象を与えるようです。
「情」に訴えたいお礼状やお詫び状は「手書き文章」で(できれば丁寧に)、事務的なお知らせ事項は短時間で作成でき、かつ「読みやすく丁寧である」印象も損なわない「タイプ文章」が効率的といえそうです。
目的や状況に応じて、デジタル・アナログ両者のそれぞれの良さを上手に使い分けると良さそうですね。
(※)
手書きや紙の持つユニークな価値について心理科学・脳科学的アプローチで検証
〜応用脳科学コンソーシアム 「アナログ価値研究会」〜
(株式会社NTTデータ経営研究所 平成29年7月4日)
http://www.keieiken.co.jp/aboutus/newsrelease/170704/
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