2016年7月現在で1268品目が許可・承認され、市場規模は6,391億円(2015年度)となっています。2015年10月現在での許可品目数は1195品目、2014年度の市場規模6,135億円から4.2%増となっています。
一方、2016年3月に特定保健用食品として健康増進法に基づく初めての勧告がなされ、6月には消費者庁より「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項」が示されるなど、行政の関与が深まる中、9月にはトクホ制度が始まって以来、初めての特定保健用食品の表示許可の取消しが行われました。
業界では今後〈トクホ〉をはじめとする健康食品に関わる制度への、様々な影響が懸念されています。
業界の自主規制の取り組みとして、公益財団法人 日本健康・栄養食品協会では、2013年度より〈トクホ〉の広告表現の適正化と向上を図ることを目的として「特定保健用食品広告審査会」を毎年開催しています。
広告審査は、企業が出稿した広告について、健康増進法等の関連法規、消費者庁、「特定保健用食品に関する質疑応答集」(※1)および「『特定保健用食品』適正広告自主基準」(※2)等への適合性の観点から審査されています。
2016年4月に実施された第4回審査会の審査結果概要を紹介します。
審査した121件の広告中、22%の26件で法令や同協会の適正広告自主基準などへの適合性に疑問があると判定しました。
【審査結果】
TV、新聞、雑誌の広告121 件について審査を行った(雑誌1件(雑誌社作成記事広告)については、審査対象から除外)。
TV:91件中「B」判定(2件)、「C」判定(13件)
新聞:20件中「A」判定(1件)、「B」判定(4件)、「C」判定(4件)
雑誌:9件中「C」判定(2件)
審査結果は、健康増進法に抵触する恐れや、消費者庁のQ&A等に著しく抵触するものが該当する「A」判定1件、消費者庁Q&Aや同協会自主基準に抵触するものが該当する「B」判定6件、「C」判定19件となった(第3 回「A」判定0件、「B」判定7件、「C」判定22 件)。
今回の結果は、「A」判定が1件あった。一方、「B」「C」については多少減少した。

日本健康・栄養食品協会は、審査結果を踏まえて、平成27年3月に自主基準が改定しています。
「許可表示」の直接引用以外の広告表現の「個人の感想等」の使用について、以下を追加。
個人の感想等その製品について、事実に基づくを広告に使用することは差し支えない。
ただし、許可表示の範囲を超える表現を用いること、トクホは疾病を持つ人を対象とするものではないので、医療が必要でないかのような(治療の機会を失わせる)表現を用いること、効果を強調し過ぎたり、断定的な表現を用いて効果の確実性を保証すること、一部の都合のよい効果についての感想のみを引用すること、その他消費者に誤認を与えることがないよう十分に注意すること。
テレビ等の映像媒体におけるデータ(グラフ等)の取扱いについて、以下の青部分を追加。
@ 番組内の生コマーシャル・番組的なインフォマーシャル等、グラフの内容をその広告の中でしっかり説明できるものについては、グラフを使用しても差し支えない。
しっかり説明するとは、映像または映像とナレーションを組み合わせて、例えば、試験結果、試験条件、摂取期間、対象者の属性等の試験概要をわかりやすく説明することをいう。
A グラフの内容は映像だけでなく、ナレーション(音声)で説明することが望ましい。
過去の広告審査会で提起された課題もあわせて、以下のような適正広告自主基準の見直しを検討しているとしています。
1)医師の推奨に関する扱い
2) 1日摂取目安量の表示
3) 許可表示文言の表示
4)「食生活は・・・」の一文の表示
5) グラフを使用する際に記載する試験概要
また、これまで審査対象に入っていなかったWeb広告についても審査の対象に加え、媒体特性に応じたきめ細かい自主基準づくりに努めるとしています。
※現在の審査対象はテレビ、新聞、雑誌
市場の発展に向け、業界事業者だけでなく広告業界とも連携し、健康食品の広告・表示が消費者にとってわかりやすいものとなるよう、一層の取り組みが求められています。
(※1)
「特定保健用食品に関する質疑応答集」
(平成28年1月8日 消食表第 5 号消費者庁食品表示企画課長通知)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin1525.pdf
(※2)
「『特定保健用食品』適正広告自主基準」
((財)日本健康・栄養食品協会 平成27年3月)
http://www.jhnfa.org/topic80a.pdf
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第4回 特定保健用食品広告審査会 審査結果 (平成28年8月1日 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会)
http://www.jhnfa.org/tokuho-b6.pdf
日時:平成4月26日(火) 13時00分〜17時00分
審査対象:
広告収集期間 平成27年4月1日〜平成27年9月30日
収集件数:121 件 (内訳)テレビ 91 件、新聞 20 件、雑誌 10 件
* 雑誌 1 件(雑誌社作成記事広告)については、審査対象から除外した。 審査要領:
外部専門家(第三者委員)3 名と協会会員企業のメンバーで構成された広告部会の代表(企業委員)3 名で構成し、企業が出稿した広告について、関連法規および「『特定保健用食品』適正広告自主基準」への適合性を確認した。
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≪関連記事≫
・トクホ広告23%に違反の恐れあり。今後はWeb広告も審査対象に
(日健栄協 第3回 特定保健用食品広告審査会)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/431624894.html
・トクホ広告15%に違反の恐れあり。過半数が新聞広告
(日健栄協 第2回 特定保健用食品広告審査会)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/410461537.html
・2014年度トクホ市場規模6135億円。「中性脂肪・体脂肪」が躍進
http://blog.fides-cd.co.jp/article/417601555.html
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