9月1日、消費者庁は名古屋市の日用雑貨品等の通信販売事業者(株)オークローンマーケティングに対し、「セラフィット」と称するフライパンに関する表示について、景品表示法違反(優良誤認) の措置命令を行いました。
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株式会社オークローンマーケティングに対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 平成28年9月1日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160901premiums_1.pdf
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表示期間が課徴金制度導入施行日平成28年4月1日以前のため、課徴金の対象とはなりませんでした。
【対象商品・表示媒体・期間】
対象商品:「セラフィット」と称するフライパン
表示媒体・期間:
a)CS放送、BS放送、地上放送、有線放送を通じて放送したテレビショッピング番組
平成26年5月23日〜平成27年11月16日(表示媒体ごとに異なる)
b)自社ウェブサイトに掲載していた動画広告
平成26年9月頃23日〜平成27年11月17日(断続的に掲載)
【違反内容】
表示内容:
あたかも、対象商品の表面処理加工に用いられている「セラミック」と称する物質はダイヤモンドの次に硬いものであり、対象商品を金属製品で50万回擦っても傷が付かないかのように示す表示をしていた。
表示例:
・「ダイヤモンドの次に硬いセラミックを使用」との映像及び「セラフィットはダイヤモンドの次に硬いセラミックを使用」との音声
・「傷がつかない コーティングが剥がれない」との映像及び「コインで擦っても傷が付かず、コーティングは剥がれません」との音声
・「クギを炒めても傷がつかない!」との映像及び「たとえ大量の釘を炒めたって傷が付かない」との音声
・「耐摩耗テスト50万回クリア!!」との映像及び「セラフィットは50万回擦っても傷まないことが証明されました」との音声並びに対象商品で金属製品を用いて調理する映像
実際:
対象商品の表面処理加工に用いられている「セラミック」と称する物質はダイヤモンドの次に硬いものであるとはいえず、対象商品を金属製品で擦った場合には50万回を大きく下回る回数で傷が付くものであった。
報道では、以下のように報じています。
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消費者庁 フライパンの誇張宣伝で命令
(NHK 2016年9月1日)
引用:
消費者庁などが、金属製の調理器具でフライパンをこするテストを行った結果、5000回ほどで傷がついたため問い合わせたところ、通販会社は、「50万回こすったのは実際にはナイロン製の調理器具だった」と答えたということです。このため消費者庁は、「番組の内容からは金属製の器具でこすったと考えるのが自然で、誇張した宣伝だ」と判断し、景品表示法に違反するとして、今後同様の宣伝を行わないなどの措置をとるよう命じました。
この商品の宣伝は、平成26年5月から1年半の間に全国で1万2000回放送され、これまでに76万セット、120億円余りを売り上げたということです。
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景表法の「優良誤認」となる要件とは、消費者にとって重要な消費選択の要素について、その表示(一般消費者が受ける「印象」、「期待感」)と実際に大きな乖離があり、一般消費者の商品選択に影響を与えるものです。
今回の事案では、フライパンは表面が傷つくと焦げやすくなったり、劣化が進みやすくなるため、耐摩耗性は消費者にとって重要な消費選択の要素の1つであり、これが消費者の期待に反する大きな誇張があったことが問題となったといえます。
オークローンマーケティングは、9月1日、自社HPに掲載した「お詫びとお知らせ」において、「弊社は、今回の措置命令を受けることとなったことを厳粛に受け止め、前述の表示について、一般消費者の誤認を避けるため、既に自主的に修正しております。」と記載しています。
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お客様への大切なお知らせ 2016.09.01:お詫びとお知らせ
(株式会社オークローンマーケティングHP)
http://www.oaklawn.co.jp/info/20160905post-12.html
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景表法の措置命令では、「景品表示法に違反するものである旨を一般消費者へ周知徹底する」ことを命じています。お詫び文の掲載は、本来、消費者が利用している通販サイト「ショップジャパン」において告知掲載すべきと考えます。
≪参考記事≫
・マイナスイオン発生器「旅の恋人」、景表法措置命令。二酸化塩素空間除菌剤に続く
http://blog.fides-cd.co.jp/article/396843613.html
・TV通販、漬物容器の不当表示に対する優良誤認措置命令(消費者庁)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/368039124.html
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2016年09月05日
この記事へのトラックバック
わたしもそう思いました。このフライパンを購入し、クレイマーのごとく電話した結果、やっと返金に応じてもらいましたが、電話の対応はひどいものでした。また、ホームページでの謝罪はもうすでに削除しています。買収されドコモグループの一員になったようですが、ドコモも信用できません。改善命令の周知徹底は一ヶ月程度で終わったということでしょうね。
『CS情報局』を運営しているフィデスです。 コメントありがとうございます。
返金に応じてもらえ、良かったですね。
課徴金対象となった場合は、もう少しすんなりと対応してもらえたかもしれません。
いずれにしても周知期間1カ月は短いと思います。
>宮田律さん
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>景表法の措置命令では、「景品表示法に違反するものである旨を一般消費者へ周知徹底する」ことを命じています。お詫び文の掲載は、本来、消費者が利用している通販サイト「ショップジャパン」において告知掲載すべきと考えます。
>
> わたしもそう思いました。このフライパンを購入し、クレイマーのごとく電話した結果、やっと返金に応じてもらいましたが、電話の対応はひどいものでした。また、ホームページでの謝罪はもうすでに削除しています。買収されドコモグループの一員になったようですが、ドコモも信用できません。改善命令の周知徹底は一ヶ月程度で終わったということでしょうね。