2016年07月06日

家電製品の不具合時、様子を見ながら使い続けた人は4人に1人。経年劣化事故に注意喚起(消費者庁 2016年6月)

扇風機等の家電製品の経年劣化事故について、消費者庁が注意喚起しています。(※)
経年劣化に起因する事故とは、設計・製造上の瑕疵がないにもかかわらず、製品の長期使用に伴い製品の部品・材料が本来果たすべき機能を発揮できなくなった結果生じた事故のこと。

家電の長期使用製品の安全使用のための表示や点検制度を確認しながら、お客様への情報提供に努めましょう。

●経年劣化に起因する重大製品事故で多い家電製品、扇風機、照明器具、換気扇、エアコン
平成19年5月から平成27年3月までに、経年劣化に起因する家電製品の重大製品事故は 279 件発生しており、扇風機、照明器具、換気扇、エアコン等の事故が多くなっている。
事故最多は扇風機の 91 件で、全ての製品の事故の 32.6%を占めている。次いで、照明器具36件(12.9%)、換気扇28件(10.0%)、エアコン27件(9.7%)と続く。
製造後30年以上経過した製品による事故の割合が高いのが、扇風機82件(90%)、
換気扇21件(75%)。
家電経年劣化事故件数.png

事故事例:
【事例1】扇風機の火災
扇風機の長期使用(約 30 年)により、モーター関係の部品が劣化して、異常発熱が生じ、スパークが発生して周囲のほこり等に着火し、出火に至ったものと推定される。
火災により、住宅を全焼し、家人1人が重度の火傷を負った。

【事例2】扇風機の火災
工場で当該製品を使用中、当該製品及び周辺を焼損する火災が発生した。
調査の結果、当該製品は、長期使用(約 36 年)により、始動用コンデンサーの絶縁が低下し、内部短絡したため、出火に至ったものと推定される。

【事例3】照明器具の火災
引き紐により照明器具のスイッチを入れたところ、照明器具を焼損し、周辺を汚損する火災が発生した。照明器具内部の部品(コンデンサー)の劣化により、過熱、出火し、樹脂製カバーに着火したものと推定される。

【事例4】エアコンの火災
エアコンから出火する火災が発生し、製品を焼損、周辺を汚損した。
調査の結果、長期使用(約 20 年)により、製品のパワーリレー接点部に接触不良が生じて異常発熱し、出火に至ったと推定される。

消費者庁では、扇風機の経年劣化に起因する事故件数が多いことから、扇風機を使用し
ている人 1,800 人を対象に、家電製品の長期使用に関する実態調査を実施しました。

【家電製品全般について】
●経年劣化により火災等が引き起こされる可能性があることを24%の人は知らない
家電メーカーでは、ウェブサイトやパンフレット等で、長期使用されている家電製品の危険性や必要な点検、買替え時期等を案内しているが、それらを見たことがあると回答した人は 31%にとどまった。

●不具合が生じたときに様子を見ながら使い続けた結果、けがや火傷をした人も
不具合が生じたときに様子を見ながら使い続けた人は、25.3%(453 人)。このうち5.5%(25 人)は、その結果、何らかの事故が発生したと回答。
扇風機不具合.png

●不具合があっても使い続けた主な理由「まだ使えると思ったから」、「危険とは感じなかった」
不具合があっても使い続けたと回答した人は、主な理由(複数回答)として、「まだ使えると思ったから」(79.8%)、「危険とは感じなかった」(22.3%)を挙げている。
扇風機不具合継続使用.png

●季節に合わせて扇風機を出し入れする時等に、約4割は状態を確認していない
季節に合わせて扇風機を出し入れする時等に、扇風機の状態(がたつき、焦げた痕や変色、羽根の回転具合等)、電源コードや電源プラグの傷みなどを確認していない人が 36%
いた。

【消費者への情報提供アドバイス】
・経年劣化の予兆となる事象(過度な発熱、異常な音や振動、異臭、スイッチを入れても正常に作動しない等)を見つけたら、直ちに使用を中止する。

・製造年、標準使用期間などを確認する。ただし、使用頻度や使用環境によっては、期間内であっても経年劣化に起因する事故が発生する可能性があるので、予兆となる事象に注意。
長期使用製品安全表示制度:
長期使用時の注意喚起を促すため、経済産業省が創設した制度。
平成 21 年4月1日以降に製造又は輸入されたものについては「製造年」、「設計上の標準使用期間」、「経年劣化の注意喚起」の表示が義務化された。
対象製品には、扇風機、換気扇、エアコン、ブラウン管テレビ、全自動洗濯機、2層式洗濯機が指定されている。
長期使用製品安全表示.png

・特定保守製品を購入した際には、所有者情報を登録する。点検が必要な時期に、メーカーが所有者に点検時期を通知し、所有者が点検を受けることで経年劣化に起因する事故を防止することができる。
長期使用製品安全点検制度:
経年劣化に起因する事故を防止するため、経済産業省が創設した制度。
特定保守製品の製造・輸入事業者は、製品に、点検期間や問合せ連絡先等を表示することとされている。特定保守製品の所有者には、製造・輸入事業者に対して所有者情報を提供することと、事故が生じた場合に他人に危害を及ぼすおそれがあることに留意して、点検等の保守を行うことが求められている。
長期使用製品安全表示制度.png

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消費生活用製品安全法等に基づく
長期使用製品安全点検制度及び長期使用製品安全表示制度の解説〜ガイドライン〜
(経済産業省 平成24年6月)
http://www.meti.go.jp/product_safety/producer/shouan/07_shouan_guideline_4.pdf
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(※)
扇風機等の家電製品の経年劣化事故に御注意ください
(消費者庁 平成28年6月14日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/160614kouhyou_1.pdf


《参考記事》
・夏の製品事故件数上位3位は「冷却用品」、「サンダル」、「花火」(NITE 2013年7月)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/370914042.html

・「誤使用・不注意」による製品事故から、大切なお客様を守ろう!
 http://blog.fides-cd.co.jp/article/145970869.html

・顧客の信頼を高める安全・安心情報提供のすすめ
http://blog.fides-cd.co.jp/article/164342623.html

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