しかし、ややもすると強引な営業トークに傾いてしまい、顧客によっては嫌がられるケースや、また法的な規制を受けるケースもあります。
今回は、電話によるアウトバウンドについて、特定商取引法の規制上の「通信販売」に該当するのか、「電話勧誘販売」に該当するのか、という観点から注意点を整理します。
電話勧誘販売と通信販売との規制内容の大きな違いに、法定書面交付の義務化及びクーリングオフ制度があります。
◆電話勧誘販売とは(消費者庁 消費生活安心ガイド)
http://www.no-trouble.go.jp/search/what/P0204008.html
両者は特定商取引法上、規制内容が異なるため、その方法を細かく検討し区別して営業活動を行う必要があります。
ポイント1:電話をかける対象
事例1:
ある商品を過去一年間にリピートして2回以上購入した顧客に対して、コールセンターから電話で営業活動を行っても良いか?
事例2:
ある期間、出荷同梱チラシやDMに、「希望者の方に無料サンプルプレゼント」をうたい、希望客にサンプルを送付する。当該顧客には、後日電話をかけ営業する方法は電話勧誘販売に該当するか?
営業対象が、通信販売の「継続的取引関係にある顧客」に該当するか否かを確認します。
「継続的取引関係にある顧客」とは、「特定商取引に関する法律施行令」により「当該(電話)勧誘の日前1年間に、当該販売または役務の提供の事業に関して、2以上の取引のあった者に限る」とされています。
事例1は、営業対象が通信販売の「継続的取引関係にある顧客」に該当するので、「電話勧誘販売」の適用除外とされ、「通信販売」の規制の範囲内で営業できます。
事例2は、営業対象となる顧客はあくまで「サンプル品」の無料配布客であり、それをもって「継続的取引関係にある顧客」であるとの判断は難しいでしょう。
「継続的取引関係にある顧客」に該当しない場合は、「電話勧誘販売」としての規制を受けるため、例えば法定書面の交付義務をはじめ、クーリングオフ制度の適用などがあることを認識したうえで、営業しましょう。
ポイント2:営業方法
事例3:
「健康食品」を販売するにあたり利用客を増やすため、通常の販売価格より安い「お試し価格」での販売を行うこととした。その申し込みを受ける電話の中で、同商品の「定期購入」を勧めても良いか?
あくまでも「広告商品」を受注することが主要業務であることに留意しましょう。
「電話勧誘販売」とは「事業者から電話をかけるもの」以外に、「事業者の巧みな働きかけにより、消費者が電話をかけさせられ、その電話の中で勧誘を受けるもの」も対象となります。
具体的には、ビラやパンフレットを配布し「勧誘をするためであることを告げずに、電話をかけることを要請」したり、「何らかの商品を販売する意図は告げているものの、本来販売しようとする商品について告げずに電話をかけさせるもの」とされています。
事例3は、基本的に「通信販売」の範囲での営業活動であり、「電話勧誘販売」には当たりません。
ただし、あくまでも「広告商品」を受注することが主要業務であり、「定期購入」は参考程度の案内であるという姿勢が重要です。
「お試し価格」の購入申し込みのつもりで電話しているにもかかわらず、意図しない「定期購入」を強く勧められると、「電話勧誘販売」ではないかと誤解され苦情になるケースも。
オペレータトークの内容を確認し、慎重に行うようにしましょう。
参考:
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((社)日本通信販売協会(JADMA)発行情報誌
「JADMANEWS(ジャドマニューズ)」(2014年11月号)より)
事業者相談 顧客対応編 「電話を利用した適切な販売方法」
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