この調査は、我が国の BtoB 及び BtoC の電子商取引市場動向や利用者実態を調査したもので、平成10年度より実施され、今回で15回目になります。
今回の調査では、平成23年度に引き続き越境電子商取引の消費者向け市場規模及び動向(日本、米国及び中国相互間)についての実態調査を実施するとともに、近年、利用が急激に拡大しているソーシャルメディアとO2O(Online to Offline)が電子商取引に与える影響について調査を実施しています。
報告書概要:
・ 国内電子商取引市場規模
・ 日本・米国・中国における越境電子商取引の市場規模
・ 日本・米国・中国における越境電子商取引等の利用動向
・ ソーシャルメディア及びO2O(Online to Offline)がECに与える影響
今回は、本報告書の中から特に、2012年のBtoC-EC市場動向を確認しましょう。
●2012年度市場規模は9兆5,130億円。対前年比112.5%で成長続く
2012年のBtoC-EC市場規模は、2011年8兆4,590億円と比較すると対前年比112.5%で、2010〜2011年の成長率108.6%から伸張した。EC化率は2011年の2.83%と比較して、0.28ポイント増の3.11%に達しており、市場規模商取引の電子化は引き続き進展している。
※本調査におけるEC化率とは、全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電
子商取引市場規模の割合とする。
●対前年比で好調なのは「衣料・アクセサリー小売業」(対前年比121.5%)「医薬化粧品小売業」(対前年比119.3%)、「宿泊・旅行業、飲食業」(対前年比117.8%)
特に「衣料・アクセサリー小売業」は、2008年(730億円)→2012年(1,750億円)5カ年で239.7%市場規模を拡大し、2012年のEC化率が1.33%であることから、今後も継続的な成長を遂げることが予測される。
●市場規模の増減では、「情報通信業」(対前年差2,630億円増)、「宿泊・旅行業、飲食業」(対前年差2,260億円増)、「自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業」(対前年差1,800億円増)
これらの業種は対前年差が大きく、BtoC-EC市場規模の底上げに寄与している。
一方、「金融業」では対前年差40億円減(対前年比94.4%)で、プラスからマイナスに転じた。「製造業」では対前年差30億円減(対前年比97.5%)で、引き続きマイナスであるが減少幅は縮小している。
●EC化率の増減では、「宿泊・旅行業、飲食業」(対前年差0.69ポイント増)、「医薬化粧
品小売業」(対前年差0.38ポイント増)、「総合小売業」(対前年差0.31ポイント増)
これらの業種では、商取引の電子化が大きく伸展している。
また、すべての業種において、EC化率は上昇している。
※総合小売業(百貨店、総合スーパー、コンビニエンスストア、ホームセンター、通信販売業)
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●BtoC-EC市場規模の業種別構成比は、「情報通信業」(構成比24.1%)、「総合小売業」(構成比19.9%)、「宿泊・旅行業、飲食業」(構成比15.7%)
次いで「自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業」(構成比15.0%)、となっており、これら4つの業種で日本におけるBtoC-EC市場規模の74.7%を占めている。
※情報通信業(通信、放送、情報サービス、インターネット付随サービス、映像・音声・文字情報制作業)
●業種別の市場動向
「総合小売業」
通信販売事業者、百貨店、総合スーパーを中心にBtoC-EC事業が好調。
通信販売事業者では、従前に続き、売上高に占めるインターネット売上の比率が伸びている。今後は顧客との多種多様な接点に対し、EC、カタログ、店舗のチャネルのみならず、SNS、各販売促進活動等の全ての機会をフル活用した価値提供を図っていくという。
百貨店でも同様に、インターネット売上が好調。三越伊勢丹では、店頭売上高は前年規模を維持するレベルに留まっているのに対して、EC売上高は、店頭売上高に比べて絶対額は小さいものの、5〜7%増の成長。現在のEC売上高のうち、半分がお中元やお歳暮等のギフト品、半分が化粧品や衣料・アクセサリー等の商品である。店舗という基盤を有する百貨店ならではのECを志向し、今後はECサイトの横展開も検討している。
「衣料・アクセサリー小売業」
総合ファッションモール、SPA(製造小売業)事業者などを中心にBtoC-EC事業が好調。
総合ファッションモール「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイでは、従前に続き、EC売上高が好調に推移するも、成長率はやや鈍化した。近年の取り組みとして、「送料無料」を時期限定キャンペーンの一環から、恒常的な対応で好評を博しているという。
大手の衣料品メーカーであるワールドでは、自社サイトの開設や大手ショッピングモールへの出店、外部支店(ZOZOTOW等)との連携など、ECサイトの位置付けはダイレクトマーケティングの一つであり、実店舗の一つとして位置付けている。
全てのブランドにおいてEC売上高は拡大傾向にあり、全店舗の中でECサイトが売上1位となっている。EC売上高の成長の背景には、SNSの活用、O2Oの活用が挙げられる。
「食料品小売業」
自然食品宅配、ネットスーパー等を中心にBtoC-EC事業が好調。
自然食品宅配の大手事業者であるオイシックスでは、2011年度の特需の背景として、商品の品質面の強化(鮮度の向上、痛みの改善等)による顧客離れの減少と、東日本大震災以降、食に対する不安意識が高まる中で、独自の放射能検査による安心・安全を担保できたことが挙げられる。この背景は継続しており、2012年度の成長要因にもなっている。
日用品や生鮮・青果品のEC購入が普及するのと同時に、ネットスーパー各社の取り組みも本格化している。大手のネットスーパーである「イトーヨーカドー ネットスーパー」では
24都道府県、約2,100万世帯に対してサービスの提供が可能となっている。取扱商品数は約3万点に上る。
現在の売れ筋商品としては、「重い、かさばる商品(飲料水、米、トイレットペーパー等)」、「購入頻度が高い商品(野菜、パン等)」、「保存が効く商品(冷凍食品、カップ麺等)」であるという。
配送料(一定以上の注文額になると無料化)や配送時間(顧客の生活スタイルに合わせて10便から選択)に配慮し、地域の個人宅配業者との連携により、きめ細やかな配送時間に対応。
売価・在庫管理の効率的な仕組みも構築している。ネットスーパーでの売価も対応商圏の実店舗と連動しており、値引きキャンペーンも反映される仕組み。
在庫を実店舗と共有しているため、実店舗、ネットスーパーともに品切れとならないように、それぞれの販売許容数をコントロールしている。
「自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業」
大手の量販店を中心にBtoC-EC事業が好調である。
ただし、電気製品に関しては、2011年3月の家電エコポイントの終了、2011年7月の地上デジタル放送への完全移行等による需要急減が2012年にも影響を及ぼしており、苦戦している事業者も多い。
●スマートフォン経由の流通総額がフィーチャーフォン経由の流通総額を逆転
楽天市場におけるモバイル経由の流通総額の2012年10〜12月の実績値は、対前年比で142.6%にまで拡大。その中でもスマートフォン経由の流通総額は、2012年1〜12月の実績値に関して、対前年比で約400%にまで拡大しており、現在はスマートフォン経由の流通総額がフィーチャーフォン経由の流通総額を逆転している。
このようなユーザーのスマートフォン利用の拡大に伴い、ECサイトもそれに合わせた販売方法への対応に迫られている。楽天市場において、スマートフォン向けページを編集した店舗と編集していない店舗の1店舗当たりの平均売上高を比較すると、約4倍もの開きがあることが確認されている。今後は、スマートフォン向けにページの最適化を行うことが、出店店舗にとって重要であるという。
Yahoo!ショッピングでも、スマートフォンやタブレットの普及・拡大が顕著であった。購入回数ベースで端末別の構成比は、PC経由が60%強、スマートフォンまたはタブレット経由が20%程度、フィーチャーフォン経由が2%程度であるという。2011年にはスマートフォンまたはタブレット経由の構成比が一桁%であったことから、利活用が急速に進展した。
次回は、本報告書より、EC利用概況について取り上げます。
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平成24年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)
報告書 (H25.9.27 経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/20131018_report.pdf
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≪参考記事≫
・2012年度通販市場売上高調査(JADMA)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/373260841.html
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