2013年02月27日

食品流通BtoB電子商取引の利用拡大の課題は「システム人材不足」と「導入時の費用負担」

BtoCの電子商取引の進展はめざましいものがありますが、BtoB取引においてはどのような利用状況でしょうか。

農林水産省が食品流通加工業者に対して、食品流通の電子商取引*に関する意識・意向調査を実施しています。(※)
本調査は、食品流通の電子商取引における課題を解決する施策等の検討にあたり、食品流通における電子商取引の導入意向、電子商取引の利用拡大における課題、必要な取組などを把握することを目的としたもので、平成18年と平成24年に実施されています。

*受発注など商取引に関する情報の全部又は一部を電子化し、コンピューターネットワークを用いて行う業者間の商取引を想定。

●電子商取引の利用意向は食品流通加工業者全体で42.8%。特に「食品製造業」が64.9%と最も高い
電子商取引について「現在実施しており、今後も実施したい」及び「現在実施していないが、今後実施する予定がある」と回答した者の割合は42.8%で、前回(平成18年)調査(43.2%)とほぼ同じ結果となっている。「現在実施しておらず、今後も実施する予定はないが関心はある」と回答した割合は30.0%(前回33.8%)となっている。

業種別では、最も利用意向が高いのは「食品製造業」で64.9%、前回調査(54.7%)に比べ10.2ポイント増加した。
一方、最も低いのは「外食産業」で23.5%。更に、「外食産業」は「現在実施しておらず、今後も実施する必要性を感じない」という回答が42.3%と最も高く、前回調査(33.3%)に比べ9.0ポイント増加した。食品流通EC意向.png
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●今後、電子商取引を利用したい品目は、「加工食品」が65.6%と最も高い
今後電子商取引で利用したい品目は、「加工食品」65.6%と最も高く、次いで「青果物」(43.5%)、「米穀類」(29.6%)となっている。食品流通EC品目.png
※回答者は、電子商取引について「現在実施しており、今後も実施したい」、「現在実施していないが、今後実施する予定がある」及び「現在実施しておらず、今後も実施する予定はないが関心はある」のいずれかを回答した者。

●電子商取引の導入効果は「取引のスピードアップ」、導入に期待する効果は「業務コストの削減」
電子商取引を「既に実施しており、今後も実施したい」者の電子商取引導入効果は、「取引のスピードアップ」が54.1%と最も高く、次いで「取引業務の正確性の向上」(48.3%)、「業務コストの削減」(45.0%)となっている。

一方、電子商取引を「現在実施していないが、今後実施する予定がある・関心はある」者の電子商取引導入に期待する効果は、「業務コストの削減」が50.6%と最も高く、次いで「取引のスピードアップ」(47.2%)、「取引相手の拡大」(46.1%)の順となっている。
既に実施している者と、これから実施検討している者とで、導入効果に対する評価にズレが見られる。食品流通EC効果・期待.png
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●電子商取引を利用しない理由は「電話やFAXでの取引に慣れている」
電子商取引を利用しない理由は、「電話やFAXでの取引に慣れている」が60.4%と最も高くなっている。前回調査(70.7%)に比べ10.2ポイント減少した。食品流通EC利用しない理由.png
※回答者は、電子商取引について「現在実施しているが、今後はやめたい」及び「現在実施しておらず、今後も実施する必要性を感じない」のいずれかを回答した者。

●電子商取引の利用拡大にあたっての課題は「システムを扱える人材不足」と「導入時の費用負担」
電子商取引の利用拡大にあたっての課題は、「システムを扱える人材が不足している点」46.1%、次いで「導入時の費用負担が大きい点」(45.6%)の順となっている。
また、電子商取引の利用拡大に必要な取組については、「導入しやすい情報システム等の
開発・提供」が63.0%と最も高くなっている。食品流通EC課題.png
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食品流通業者における電子商取引は、既に実施している、実施していなくても関心がある層も含めると、約7割に広がっているものの、6年前と比較して横ばい傾向です。
また、電子商取引を利用しない理由は「電話やFAXでの取引に慣れている」という、アナログな商習慣が根強く残っていることが伺えます。

電子商取引導入に期待される「業務コストの削減」「取引のスピードアップ」「取引相手の拡大」といった効果が、更にアピールされることによって浸透スピードも高まると考えられます。

(※)
食品流通の電子商取引等に関する意識・意向調査結果
(農林水産省 平成25年2月22日)
http://www.maff.go.jp/j/finding/mind/pdf/densyo.pdf

・調査の対象:農林水産情報交流モニターのうち流通加工業者モニター(木材関係を除く)
対象者数(705人) 回答者数(554人) 回収率(78.6%)
・調査時期:平成24年10月下旬〜11月上旬
・調査方法:
農林水産省大臣官房統計部からのオンライン調査
地方農政局、北海道農政事務所、内閣府沖縄総合事務局、地方農政局の地域センター、北海道農政事務所の地域センター、内閣府沖縄総合事務局の農林水産センターからの郵送調査

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posted by Fides at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 調査・統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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