2012年11月21日

「パーフェクトデイズ」の開運商法に業務停止命令。特商法違反と景表法違反の違いとは

消費者庁は、「パーフェクトデイズ」という屋号を用いて、開運ブレスレットの通信販売及び祈とうサービスの電話勧誘販売を行っていた3社(アドクリエイト(株)、(株)ジェイコーポレーション、(株)アドライン)に対し、特定商取引法違反で最長6カ月間の業務停止を命じました。

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通信販売業者及び電話勧誘販売業者【アドクリエイト(株)】【(株)ジェイコーポレーション】【(株)アドライン】に対する業務停止命令(3ヶ月・6ヶ月)及び指示について
(平成24年11月15日 消費者庁)
http://www.caa.go.jp/trade/pdf/121115kouhyou_1.pdf
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消費者庁によると、3業者は雑誌に広告を出してブレスレットを通信販売し、「装着後3日で高額の宝くじが当たる」と電話で説明。宝くじに外れたと連絡があると、メールで顔写真を送らせて「霊がついている」と不安をあおり、1回25万〜500万円の祈祷を電話勧誘していました。

報道では、ブレスレットは4046人が購入し、大半が除霊などで1人平均約60万円を契約。3社は過去3年間で約4億円を売り上げたと報じています。

今回の特定商取引法違反行為は、通信販売については、表示義務違反、虚偽・誇大広告(3社共通)、顧客の意に反する申込み(アドクリエイト(株)及び(株)ジェイコーポレーションの2社)。
電話勧誘販売については、名称等不明示、再勧誘、契約書面の記載不備、不実告知、威迫・困惑、不当な履行遅延、迷惑勧誘(3社共通)。


今年の1月時点で国民生活センターには、「開運商法」のうち、「通信販売」あるいは「電話勧誘販売」による「ブレスレット」「数珠」が関わる相談が急増していました。(※)
2007年度以降の同相談は1,967件。相談は年々増加傾向にあり、2011年度は2010年度の前年同時期と比べて2.6倍近く増加していました。開運ブレスレット相談件数.png


今回のように多くの高額な金銭的被害に繋がった事案については、『通信販売及び電話勧誘販売に係る取引の公正並びに購入者の利益が著しく害されるおそれがある』として、特定商取引法違反が適用されました。

一方、「開運商法」に関しては、平成15年に「風水・五鯉躍サイフ」を販売していたフジアートグループに対する、景品表示法の優良誤認による排除命令がありました。
この事案で問題となったのは、同社の広告に掲載された金運が良くなったという体験談のほとんどが同社による創作で、体験談とともに掲載された写真も、同社が依頼したモデル等のもので、裏付けとなる合理的な根拠として認められないものだったことでした。

以下の、景品表示法の運用指針も併せて確認しておきましょう。

不当景品類及び不当表示防止法第4条第2項の運用指針
―不実証広告規制に関する指針― (平成15年10月28日 公正取引委員会)

≪抜粋≫
商品・サービスの効果、性能に関する表示であって、神秘的内容(「開運」、「金運」等)、主観的内容(「気分爽快」等)、抽象的内容(「健康になる」等)に関する表示であっても、当該表示が一般消費者にとって、当該商品・サービス選択に際しての重要な判断基準となっていると考えられ、さらに、これらの表示内容に加えて具体的かつ著しい便益が主張されている(暗示されている場合も含む。)など、当該商品・サービスの内容について、一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良との認識を与えるようなものであれば、景品表示法第四条第一第一号に該当するおそれがあり、そのような場合には、同条第二項に基づき表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求める対象となり得る。

他方、上記のような内容の表示のみであって、通常、当該表示から、直ちに、表示された効果、性能について、一般消費者が著しい優良性を認識しないと考えられるものは、景品表示法第四条第一項第一号に該当するおそれはないと考えられるため、同条第二項に基づき表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求める対象とはならない。

一部の商品・サービスの効果、性能に関する表示には、消費者の体験談やモニターの意見等を表示の裏付けとなる根拠にしているとみられるものもあるが、これら消費者の体験談やモニターの意見等の実例を収集した調査結果を表示の裏付けとなる根拠として提出する場合には、無作為抽出法で相当数のサンプルを選定し、作為が生じないように考慮して行うなど、統計的に客観性が十分に確保されている必要がある。

積極的に体験談を送付してくる利用者は、一般に、商品・サービスの効果、性能に著しく心理的な感銘を受けていることが予想され、その意見は、主観的なものとなりがちなところ、体験談を送付しなかった利用者の意見を調査することなく、一部の利用者から寄せられた体験談のみをサンプル母体とする調査は、無作為なサンプル抽出がなされた統計的に客観性が確保されたものとはいえず、客観的に実証されたものとは認められない。

(※)
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開運ブレスレットや数珠の購入をきっかけに、“除霊のため”“運気を上昇させるため”と、次々に開運商品を売りつける手口に要注意!
(国民生活センター 2012年2月2日:公表)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120202_1.html
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posted by Fides at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正・違反情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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