2012年08月06日

消費者目線と事業者目線の違い。「消費者トラブルメール箱」2011年度の報告書より

国民生活センターの運営する「消費者トラブルメール箱」が2002年4月の開設から10年目となり、開設当時のアクセス状況との比較や、主に2011年度内に寄せられた情報の受信概況、追跡調査を実施した主な事案等について報告しています。
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「消費者トラブルメール箱」2011年度のまとめ−10年目の比較を踏まえて−
(2012年6月21日 独立行政法人国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120621_3.html
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この報告書における「追跡調査を実施した主な事案」の中で、特にネットでの取引や広告に関連するトラブルをピックアップしてみました。

(1)紛らわしい無料キャンペーン<2011 年10 月受信>
●寄せられた情報

新型スマートフォンの発売キャンペーン広告で、同じメーカーの電子タブレットが0 円で購入可能かのように表現されている。実際は、代金を払っている状態であり、問題では
ないか。」

●調査結果
Web 上の広告では、情報提供にあるような表現が見受けられた。
店頭説明用のチラシ等には、確かに機種代金がかかる旨が説明されていた。

通信事業者の説明:
「トップページだけでは分かり難い面もあるかと思うが、詳細画面を見てもらうと、端末料金がかかることも説明しており、表示上の問題はないと考えている。店頭では、チラシや詳細資料で0 円での購入ではないと説明している。」

国センからの依頼:
情報機器のキャンペーンは、まずWeb 上で確認する人が多いと思われるので、誤解を招かない書きぶりとするように依頼し、了承された。

(2)店側の都合で失効したポイントの返却<2011 年11 月受信>
●寄せられた情報

「ネットショッピングモールにて、たまったポイントを使って商品を購入した。しかし、
店側都合のキャンセル(欠品や調達不可能)なのに、使用したポイントが返却されないのはひどい。」

●調査結果
ショッピングモール販売店の説明:
通常付与されるポイントは、加入店舗やショッピングモールの都合でキャンセルすると、自動的に返却される。期間限定で付与されるポイントについては、本人からの申出によって返還されるものと説明あり。
しかし、方法を特に案内されるわけでもなく、当該販売店の利用案内等にも示されていない点を踏まえ、さらに確認すると、ショッピングモール運営事業者のWeb サイト内にあるヘルプに載っているという。

国センからの依頼:
当該販売店での購入者が、リンクも設定されていないショッピングモール運営事業者のヘ
ルプ画面にたどり着くことは困難と予想され、販売店における利用案内等の範囲で完結させる、あるいはシステムとしてモール運営事業者の説明画面や手続き画面へのリンク設定などを提案したが、実効性のある回答を得られなかったことから、対応について注視を続けている。

(3)突然決済処理された海外ホテル代 <2012 年3 月受信>
●寄せられた情報

「インターネットの予約サイトで、海外のホテルを予約した。宿泊料の支払いは、画面上に”現地決済”と表示されているのを確認したのに、予約した途端、全額を私の登録済みクレジットカードから引き落とす決済になってしまった。現在も”現地決済”と表示しながら、別の場所に”予約と同時にクレジットカードで課金する”と記載している。内容が矛盾する記載は問題ではないか。

●調査結果
ホテル予約サイト会社の説明:
「”現地決済”とは、ホテルで宿泊代金(現金/TC/クレジットカード)を支払う方法の他、前もってクレジット決済(引き落とし依頼)を現地ホテルが直接行うケースがある。
今回は、後者のため発生する事象である。旅行業協会のガイドラインで、決済前の段階で最終的な確定情報(予約条件・支払条件等)を表示するように努めており、問題ないと考えている。海外のホテル予約については、国ごとの商習慣の違いで、必ずしも表示が統一できない点を理解して欲しい。

国センからの依頼:
しかしながら、入り口(検索結果の一覧)と結果(予約詳細)において、支払方法などの重要事項の表記に統一性がなく、消費者に混乱や誤解を招きかねないことを指摘し、一覧表示の段階で、あらかじめ支払条件や方法等が異なる旨の表示の検討を依頼した。

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商品選択や購入にあたり重要と考えられる情報について、正しい情報であることはもとより、消費者目線に立って混乱や誤解を招かないように、その提供方法に配慮することが重要です。
「これくらいは判ってもらえるだろう」という発想ではなく、「これで正しく伝わるだろうか」という疑う目を持って検証してみることをお勧めします。
事業者としてはきちんと情報提供しているつもりでも、思わぬ落とし穴があるものです。


≪関連記事≫
・2人に1人が、ショップサイトの掲載情報に不満経験あり。消費者目線での、ショップサイト見直しのススメ
http://blog.fides-cd.co.jp/article/249710540.html

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posted by Fides at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 顧客サービス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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