家庭用健康器具(※1)について、消費者庁から公表されている製品事故や、国民生活センター等に寄せられている危害・危険情報が増えています。(※2)
相談事例の中には、「ゴム製のエクササイズ器具で目を強打し、視力が低下した」「ばねの反動を利用して腹筋を鍛える器具を使用中、反動によりバランスを崩して顔面を強打し、けがをした」といった深刻な事例も見られます。(※3)
国民生活センターでは、寄せられた相談情報に加え、アンケート等を通じて消費者の使用実態を分析し、消費者に購入前・使用前の注意点と事業者・業界への要望事項を公表しています。(※4)
家庭用健康器具を販売されている通販事業者さん、事故を未然に防ぐためのお客様への情報提供をぜひ、心がけてください。
●注意事項や禁忌症状等について、購入前に確認できるよう情報提供を心がける
テレビショッピングにおいては番組内で可能な限り、インターネットショッピングにおいては、サイト上に取扱説明書の内容や使用上の注意事項が掲載する。
消費者が、自分の健康状態で使える程度のものか判断するための情報を提供すると共に、既往歴や持病があり薬を飲んでいる人、病院を受診している人は、かかりつけの医師に当該健康器具を用いての運動が可能かどうか等について確認するよう、促す。
●取扱説明書では、具体的でわかりやすい表示を
消費者に正しい使用方法や下記のような注意事項等が明確にわかるような、具体的でわかりやすい表示を工夫する。
・ 消費者が、自分の体や健康状態に合わせて、自分の体力以上に運動しない
・ 運動中に体もしくは器具に異常を感じたらすぐに使用を中止する
・ 使用後に体調が優れない場合は継続して使用せず、回復するまで適度に期間を空けるなどの調整を行う
・ 体調不良が続く場合は、医療機関を受診する
(※1)家庭用健康器具について
今回対象にした「家庭用健康器具」とは、スポーツジム等で使用する専門的な器具や、リラクセーション効果を主たる目的とした器具ではなく、一般消費者が手軽に購入し、運動をすることが可能な器具のことである。また、マッサージチェア等の医療機器は対象外とし、運動を補助するもの等。
(※2)危害状況
■相談件数
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられる
家庭用健康器具の危害・危険に関する相談
2009 年10 月以降に消費者庁より「消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について」
で健康器具に係る内容が13 件。また、医療機関ネットワークには2010 年12 月以降9 件。
PIO-NETには2007 年度から290件の危害・危険情報が寄せられており、毎年、平均50 件前後の相談が寄せられている。
2007 年度から2009 年度にかけて件数は減少したが、2010 年度、2011 年度と増加している。2007 年度には乗馬型器具に関する相談が多かった。
■被害者属性・症状
被害者の年代は、40 歳代・50 歳代・60 歳代とおのおの約2 割ずつを占め、平均年齢は51.0 歳であった(不明・無回答67 件除く)。また、女性が178 人となり、約7 割を占めた(不明・無回答等54 件除く)。
主な症状は、擦過傷・挫傷・打撲に続いて腰痛、皮膚障害であった。
■販売購入形態
「通販購入」が183 件と最も多く、約7 割。「店舗購入」が85 件と約3 割。(不明・無回答等16 件除く、n=274)。
「通販購入」183 件の中では「テレビショッピング」が85 件、次いで「インターネット通販」が25 件、「カタログ通販」が10 件、「電子商取引」(注)が9 件、「インターネットオークション」が1 件と続く(重複あり)。
(注)「電子商取引」は、インターネット等のネットワーク上で行う取引。2009 年度以降、「インターネット通販」「インターネットオークション」は「電子商取引」よりも優先して分類されている。
(※3)相談の概要
【事例1】使用対象ではない健康状態の人が使用した
寝転がって機械に足を乗せると、機械が左右に動いて腰が金魚運動される健康器具をテレビショッピングで買った。自分は脊椎せきついの病気で通院中であり、医者からストレッチ運動をしたほうがよいと言われていたので、注文した。また、テレビ放送で30 分以内に申し込むと半額になると放送していたので、思わず買ってしまった。
1 回使用したら、腰が痛くなった。取扱説明書を見たら、“背骨に異常のある人は必ず医師と相談の上使用する”と書いてあった。しかし、テレビ放送時にはそのようなことは言っていなかった。
(2012 年3 月受付、70 歳代・男性・愛知県)
【事例2】取扱説明書に正しい使用方法が表示されていなかった
電気店に任せてカタログ購入して送ってもらった。商品には3 種類のベルトが付いており、1 種類は他の2 種類よりも長い平たいベルトであった。一番長い平たいベルトを器具にセットして使用したところ、真後ろに器具ごと倒れて頭を打ち、救急車で運ばれた。
検査機関の検査の結果、背中にたすきがけをして使用するべきところ、取扱説明書にはたすきがけにして使用する旨の説明文や図はなかったことがわかった。
(2011 年10 月受付、70 歳代・女性・東京都)
【事例3】リハビリ目的で購入したが、急にスピードが出て転んだ
要支援2 と認定された妻が、歩く練習のために電動のウオーキングマシンを購入した。まずは自分がウオーキングマシンに2、3 分試し乗りをして、妻に替わった。それから1 分後位に、急にスピードが出て妻が転んでしまい、足と肩を打って紫色になってしまった。
(2011 年9 月受付、70 歳代・女性・埼玉県)
【事例4】初めての使用で骨折した
両手でハンドルを握り可動する台に両ひざをついて腰をスイングするとダイエット効果がある器具をテレビショッピングで購入した。自分は何度も使用していたが、妻が初めての使用の時にスイングを最大にしたところ、ひざがひざ乗せ台から外れて転倒し、肋骨ろっこつ2 本を骨折した。
(2010 年12 月受付、50 歳代・女性・東京都)
【事例5】返品しようとしたら、書類等が無く返品できなかった
3 カ月前にテレビショッピングで、四つんばいになって腰の脂肪を燃やすというフィットネス器具を買った。使用したら腰痛になったので、返品しようと思ったが、領収書や保証書等の書類を全て捨ててしまっており、どこから購入したかもわからない。
(2010 年9 月受付、50 歳代・男性・東京都)
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(※4)
家庭用健康器具による危害等について−気軽に運動できるはずがケガ!使う前には注意表示の確認を−(2012.6.21. 国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120621_1.html
次回のCS情報局の更新は、7月9日(月)です。
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2012年07月06日
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