2011年12月02日

ソーシャルメディア・ポリシ策定の手引き(インターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI))

先日の記事では、ソーシャルメディア(SM)による「お客様の声」の収集・活用状況について紹介しました。そこには、情報の信頼性やリスクへの懸念から、活用へのためらいやとまどいを感じている様子が伺えました。

事実、企業の社員・従業員が民間SM上で問題発言を行い、それを起因として企業の責任が問われる「炎上」が続出しています。
そこで、今回はインターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI)が2011年10月6日に公開した「ソーシャルメディア・ポリシ策定の手引き」(※)より、公式アカウント運用担当者向けポリシをご紹介します。

■公式アカウント運用担当者たる従業員等に適用されるSMP 策定の手引

1.組織を代表する自覚
組織名義のSM 利用活動を行うためには当該組織から公式アカウント運用担当者として認定を受ける必要があることを明記する。公式アカウント運用担当者に当該組織を代表して発言することの責任と影響の大きさについて自覚を促す。
→ネットワーク上で個人として振舞いながらも企業のポリシーを身に纏った人格を持たせることが求められます。

2.透明性と情報の正確性の確保
一個人として情報発信する以上に透明性を意識する必要があることを明記する。また伝聞や推測に基づいた情報発信を禁止し、出典の明示を徹底する。
→著作権侵害などの観点からも重要ですね。

3.相手への配慮
特定の組織、商品、人物等に言及する際は、その評価によって相手に不利益が生じないように配慮する。当該組織が発した情報によって相手に不利益を与えると、いずれ当該組織への不利益となって戻ってくると因果応報的に考える。
→これは企業の公式アカウントにおいては、特に重要ですね。

4.相手への敬意、不快な発言の禁止、慎重な判断を要する話題への対処
相手への敬意、不快な発言の禁止、差別表現の禁止、慎重な判断を要する話題への対処方法について明記する。特に政治的宗教的話題等、影響範囲が大きく慎重な対応が求められる事例への対処手順を事前に想定しておく。SMP 運営委員会を相談窓口とすることで、一般的な従業員等だけでなく、役員等直属の上長が存在しない特殊な立場の関係者も相談可能になる。
→まずは具体的な事例を策定すると具体的になって、対処法を想定しやすいですね。

5.訂正の際の注意事項
訂正の場合、原則として履歴を保存した上で訂正する。ただし差別的な発言があった場合のように履歴を保存することが不適切であると考えられる場合は、SMP 運営委員会等の判断で、履歴に残すことが不適切な発言があった旨のコメントを添えた上で、削除訂正することがある。
→「透明性」の観点から重要ですね。

6.迅速な対応
迅速な対応が信頼につながることを明記する。
→ネット上の情報伝播は早いので、特に注意が必要です。

7.SM を利用する目的、担当者・担当部署の属性、対応可能な範囲の明記
公式アカウントの自己紹介欄には、どのように公式アカウントを用いるのかを明記し、問い合わせ先の連絡先を記載する。また公式アカウントを運用する担当者や担当部署の属性を記載する(担当者ならば役職とSM での責任範囲、担当部署ならばSM での責任範囲等)。SM から回答することが望ましくない慎重な対応が求められるような場合には、上長、SMP 運営委員会、問い合わせ先等に報告の上、対応を協議する。慎重な対応が求められる場合は、迅速な対応よりも慎重な対応を優先する。目的外の問い合わせに対応するために以下のような定型文を用意してもよい。
「このアカウントは、○○(担当者・担当部署)が、☓☓の目的で運用しています。この目的以外のお問い合わせについては、以下のお問い合わせ窓口からご連絡ください。」
→これは、不用意なトラブルを防ぎ、組織としての適切な対応を行うために、効果的です。

8.有益な情報が期待されていることの自覚
相手は公式アカウント運用担当者から発せられる情報から有益な情報を得られることを期待しているので、有益な情報発信が当該組織のイメージ向上に繋がることを明記する。
→ユーザーにとって「有益な情報」とは何か、という視点が求められます。

9.公式アカウントとパスワードの管理
組織名義でSMを利用する際の公式アカウントとパスワードの管理について規定する。公式アカウント運用担当者が個人で公式アカウントを管理運営すると、パスワードを忘れたり、休暇等で不在になった場合に業務が滞る可能性がある。また怨恨を抱いて退職したような場合には、公式アカウントが乗っ取られる危険性も考えられるので、チームで管理運営することを推奨する。ただし情報発信する際は公式アカウントの人格の同一性が損なわれないように配慮する必要がある。

10.複数人で公式アカウントを管理運営する際の注意事項
チーム等、複数人で公式アカウントを管理運営する場合、組織内で発言者を記録し、責任の所在を明確にする。

11.SM の利用場所と機器
公式アカウント運用担当者が公式アカウントを管理運用する際、公式アカウント運用担当者の個人の情報端末からのログインを認めると、公式アカウント運用担当者の個人のアカウントと間違う危険性があるので、組織から貸与された情報通信端末に限定する必要がある。またカメラやマイク等の機器を用いる際の注意を記載する。

→9〜11は、リスクマネジメントの視点が求められています。

SM を利用する際の行動基準および判断基準を提供することによって、SM の有用性と危険性についての意識向上の一助となりそうです。

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(※)
一般社団法人インターネットコンテンツ審査監視機構(2011年10月6日)
ソーシャルメディア・ポリシ策定の手引き

次回のCS情報局の更新は、12月5日(月)です。

≪関連記事≫
・企業におけるソーシャルメディア用状況。1位YouTube(54.6%)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/221652242.html

・企業におけるソーシャルメディア運用課題、リソース投資意向
http://blog.fides-cd.co.jp/archives/20110824-1.html

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posted by Fides at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 顧客サービス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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