2010年01月20日
二重価格表示の注意点〜セール時の価格表示〜
前回(※1)に続き、二重価格表示における注意点を説明します。
今回は、期間限定で行われるセールの際に用いる比較対照価格についてです。
セール時の次のような表示は、景品表示法、特定商取引法上、不当表示とみなされます。
【セール時に用いる比較対照価格表示の注意点】
●比較対照価格の内容は事実に基づき正確に表示する
《不当表示に該当するおそれのある表示》
・実際に販売されていた価格よりも高い価格を、「当店通常価格」等の名称を付して比較対照価格に用いること。
・販売する商品と同一ではない商品の過去の販売価格を比較対照価格に用いること。
(NG事例)
長期間展示品であって新品とはみなされない商品について、比較対照価格に新品の場合の過去の販売価格を用いて「当店通常価格650,000円を365,000円」と表示。
●比較対照価格での販売期間に注意する
原則的に最近相当期間(※2)にわたり販売された価格を表示します。
最近相当期間販売していない場合、販売実績のある商品の価格については、販売時期や期間を正確に明示します。
※但し、セール実施決定後に販売を開始した商品の価格を比較対象価格とする場合には、当該価格での相当期間販売実績が必要です。
短期間の販売ではセール前価格の実績作りのための価格とみられるため、販売時期や期間を正確に表示しても、不当表示となるおそれがあります。
《不当表示に該当するおそれのある表示》
・過去の販売期間のうち短期間において販売されていた価格を、具体的な販売期間を明示しないで、「当店通常価格」等の名称を付して比較対照価格に用いること。
・過去において販売されていた価格を、実際と異なる販売期間を付記して比較対照価格に用いること。
・販売実績の全くない商品又はセール直前に販売が開始された商品等、短期間しか販売した実績のない商品の価格を、「当店通常価格」等の名称を付して比較対照価格に用いること。
●将来の販売価格を用いた二重価格表示は、その価格で販売することが確かな場合のみ
セール期間経過後も販売価格を引き上げる予定がない、又はセール期間経過後ごく短期間しか表示された価格で販売しない場合は、セール期間経過後の将来の販売価格を比較対照価格に用いてはいけません。
●タイムサービスでは、直近の価格による二重価格表示OK
一定の営業時間に限った値下げや、生鮮食品など売れ残りを回避するため一定営業時間後に値下げを行う場合は、直近の価格を比較対照価格に用いても不当表示には該当しません。
次回は、二重価格表示を行う際、比較対照価格に製造業者などの「希望小売価格」を用いる場合の注意点を説明します。どうぞお楽しみに!
(※1)関連記事
・二重価格表示の注意点 〜比較対照価格の商品同一性〜
http://blog.fides-cd.co.jp/article/138324728.html
(※2)「相当期間」:以下の解説を参照ください。
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不当な価格表示についての景品表示法上の考え方
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/pdf/100121premiums_35.pdf
2過去の販売価格等を比較対照価格とする二重価格表示について
(1)基本的考え方
ア 過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示
(ウ)「最近相当期間にわたって販売されていた価格」か否かの判断基準
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参照サイト
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不当な価格表示についての景品表示法上の考え方
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/pdf/100121premiums_35.pdf
※現在、景品表示法は消費者庁に移管されていますが、上記ガイドラインは適用されています。
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