改正薬事法による、医薬品の通信販売規制が施行されて約1ヶ月が経過。
医薬品を取扱うインターネット通販事業者の売上げに、早くも大きな影響が出ているようです。
健康食品や医薬品などのネット通販を行うケンコーコムは、改正薬事法に伴う医薬品販売方法の変更で、運営する全てのECサイトにおける医薬品の6月の売上合計が、前月比約62%マイナスとなったと報じています。
ケンコーコム、改正薬事法の影響により、6月の一般用医薬品売上高が前月比で約62%減少
今回の法規制の趣旨は安全性と説明責任を担保した医薬品販売であり、対面販売を基本としなければ安全性は確保できないとの考えから、通信販売は規制を受けることになりました。
一方では、施行直前のパブリックコメントなどからも、医薬品を通販で購入したいという消費者の強い要望もあります。
ネット通販による「安全性と説明責任を担保した医薬品販売」は、本当に不可能なのでしょうか。
例えば、購入前に健康状態やアレルギーの確認や薬の注意事項を読ませる手続きの導入、販売数量制限を設けるなどサイト構築による工夫や電子メール、FAX、電話などによる相談体制など、ネット通販でも安全性を確保するための施策は色々と考えられると思います。
しかし、全ての事業者がコスト負担となる安全性確保のシステムを導入するとは考えにくいことです。(優良な事業者のみ淘汰されるなら喜ばしいことですが)
また、いずれも、消費者の自己責任意識が高くなければ、事業者の努力もただ面倒なだけの手続きと受け止められそうです。ネットショップの信頼性を評価できる賢い消費者ばかりではありません。
規制緩和が進んだ時代には、消費者の自己責任が求められ、規制強化の時代には行政の消費者保護傾向が強まります。
今回は改正薬事法に関連した医薬品の安全販売についてでしたが、ネット通販に求められる安全性は、医薬品に限られたものではありません。
変化の激しい時代の流れと行政の方針を的確に察知しながら、自社の事業方針をフレキシブルに転換していくことが求められている、といえそうです。
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ECコミュニケーションデザイン フィデス
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2009年07月15日
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