2017年11月27日

「葛の花」お詫び社告のタイミング。措置命令前?後?

今回は、「葛の花」機能性表示食品の措置命令を振り返りながら、「お詫び社告のタイミング」について考えてみました。

今回の事案で注目されたポイントの一つが、措置命令処分前に相次いだ異例のお詫び社告でした。

景表法の措置命令では誤認排除措置として、処分を受けた事業者に対して社告を命じます。(慣例では、日刊新聞紙2紙への掲載)
この措置命令を受けた後の社告というのは、消費者庁長官の承認が必要な事項となっており、その社告の内容については消費者に対して誤認の排除に足り得るのかという観点で確認された上で行われます。

一方、措置命令を受ける前の自主的な社告等は、事業者の判断によって行われるものであり、消費者庁が関知するものではないということ。社告の方法や内容は企業判断に委ねられますので、「誤認排除措置」として認められる否かの保証はないものの、ある程度自由裁量があると言えます。

今回の「葛の花」をめぐる措置命令前社告掲載では、措置命令後の社告であれば必ず入るであろう、違反となる広告に記載した「具体的表現への言及」がないものや、自社Webサイトでの掲載のみで日刊新聞紙2紙への掲
載は行わないケースもありました。

幸い、今回、措置命令前に社告を行った12社は全て、誤認排除措置を講じたとして認められ、消費者庁は再発防止及び不作為のみを命じています。

今回の一連の流れを総合的に考察すると、もし、消費者庁の調査が入り、根拠データの不足など、措置命令を受ける可能性が高いと判断した場合は、ジタバタせずに早めにお詫びの社告を行った方が良いかもしれません。

以下のような理由からです。

・社告方法や内容をある程度自由裁量で行える。
・社告掲載が誤認解消措置と認められれば、課徴金対象期間を短縮できる可能性。
・企業の過失をいち早く認め一般消費者に周知することで、真摯な消費者対応として評価される可能性。

今回の社告に対する企業判断に、課徴金制度が影響を与えた可能性があると言われています。そうであれば、制度の副次的効果として良いことだと私は思います。

11月8日の消費者庁長官記者会見では、「葛の花」の措置命令に対する記者の質問にたいして、消費者庁の見解が述べられています。

◆岡村消費者庁長官記者会見要旨
(消費者庁 平成29年11月8日)
 http://www.caa.go.jp/action/kaiken/okamura/171108c_kaiken.html


《関連記事》
・「葛の花」16社に、機能性表示食品で初の景表法措置命令。届出内容と表示の整合性
 http://blog.fides-cd.co.jp/article/454942654.html

・スギ薬局の社告に見る、機能性表示食品の不当広告と謝罪告知のタイミング
 http://blog.fides-cd.co.jp/article/450535238.html

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2017年11月23日

消費者庁 健康食品広告ネット監視 29年度第二四半期は140事業者(153商品)の表示に改善要請

平成21年度より継続実施されている、消費者庁による健康食品等の虚偽・誇大表示のインターネット監視。
平成29年7月〜平成29年9月の結果が平成29年11月2日に公表されました。

ネット監視の方法は、ロボット型全文検索システムを用いて、キーワードによる無作為検索の上、検索されたサイトを目視により確認するというもの。
検索キーワードは昨年度と同一テーマとなっており、年間を通じて複数のテーマで検索する運用を行っています。

今回の監視では140事業者(153商品)の表示について、健康増進法に違反するおそれのある文言等を含む表示があったとして、消費者庁がこれらの事業者に対し、表示の適正化を求めるとともに、ショッピングモール運営事業者へも協力を要請しています。

健康食品ネット監視_件数_29年7-29年9.png

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インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について
(平成29年7月〜平成29年9月)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/health_promotion_171102_0001.pdf
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2017年11月17日

「葛の花」16社に、機能性表示食品で初の景表法措置命令。届出内容と表示の整合性

11月7日、消費者庁は葛の花由来イソフラボンを機能性関与成分として、痩身効果を標ぼうする機能性表示食品の販売事業者16社に対し、16社が供給する機能性表示食品の表示について、景品表示法違反(優良誤認) の措置命令を行いました。
痩身効果に対する優良誤認は不実証広告規制(※)を用いた処分となっています。

今回の事案は、以下のような点で大変注目を集めています。

・機能性表示食品で初の景表法措置命令
・食品分野で過去最多の16社一斉の措置
・措置命令処分前の異例のお詫び社告

処分のポイントと留意点を確認します。

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葛の花由来イソフラボンを機能性関与成分とする機能性表示食品の
販売事業者16社に対する景品表示法に基づく措置命令について
 (消費者庁 平成29年11月7日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_171107_0001.pdf
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_171107_0021.pdf
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(※)
不実証広告規制(7条2項)
消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒ 事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。

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posted by Fides at 14:52| Comment(0) | 法改正・違反情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする