2018年02月01日

加工食品の新たな原料原産地表示 食品製造業者の約5割が営業・販売戦略に活かせると回答(日本政策金融公庫 平成29年7月調査)

国内で製造または加工された全ての加工食品を対象に、原料原産地表示が義務付けとなる食品表示基準の一部を改正する内閣府令が、2017年9月1日に施行されました。

本ブログでは、新たな加工食品の原料原産地表示制度への移行に向けたマーケティング対応について3回シリーズで考えます。
第1回は新たな食品表示基準に対する、食品製造業者の対応状況について。

新たな原料原産地表示では、一番多い原材料の産地を国別重量順で表示することを原則としつつも、頻繁な原材料の原産地の変更に伴うパッケージの切替え、煩雑な作業の発生等、事業者の実行可能性を考慮して、困難な場合には次のような例外的な表示方法が認められました。

(1)「又は」表示、(2)大括り表示(「輸入」表示)、(3)大括り表示+「又は」表示

例外的な表示方法(表示例)
出典:食品表示基準一部改正のポイント(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/country_of_origin/pdf/country_of_origin_171027_0002.pdf

(1)「又は」表示
原産地として使用可能性がある複数国を、使用が見込まれる重量割合の高いものから順に「又は」でつないで表示する方法。過去の使用実績等に基づき表示する。
原料原産地表示_又は表示.png

(2)大括り表示(「輸入」表示)
3か国以上の外国の原産地表示を「輸入」と括って表示する方法。
原料原産地表示_大括り表示.png

(3)大括り表示+「又は」表示
過去の使用実績等に基づき、3か国以上の外国の原産地表示を「輸入」と括って表示できるとした上で、「輸入」と「国産」を、使用が見込まれる重量割合の高いものから順に、「又は」でつないで表示する方法。
原料原産地表示_大括り+又は表示.png

事業者の実行可能性を考慮したとしつつも、なかなか複雑で消費者にとっても混乱しそうな表示制度であることは否めません。
新たな表示方法の経過措置期間は、改正食品表示基準の施行の日(2017年9月1日)から、平成2022年3月末日までとなっています。この期間に製造した一般用加工食品、販売される業務用生鮮食品及び業務用加工食品については、改正前後のいずれの規定によっても表示可能ですが、この期間後については、改正前の食品表示基準に基づく表示では販売できません。

そんな中、2017年7月時点で、食品製造業者の約9割が新たな原料原産地表示を実施する意向を示し、5割近くが原料原産地表示を営業・販売戦略に活かせると回答しているという調査結果が出ています。
(株)日本政策金融公庫が食品製造業者1,695社を対象に実施した原料原産地表示の取扱い調査から、データを確認してみましょう。

《調査のポイント》
●食品製造業者の約9割が原料原産地表示を実施する意向
●実施予定事業者、「国別重量順表示」6割、「可能性表示」3割、「大括り表示」1割
●未実施事業者の主な課題は、商品パッケージの変更などへの対応
●食品製造業者の5割近くが原料原産地表示を営業・販売戦略に活かせると回答
●原料原産地表示の活用方法は、「商品PR」(60.8%)、「競合他社商品との差別化」
●食品製造業者の3割が営業・販売戦略に活かせないと回答

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posted by Fides at 19:13| Comment(0) | 調査・統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月19日

ネットショッピング利用世帯 平均ネットショッピング支出額は29,305円(総務省家計調査 2017年10月)

総務省では、「家計のネットショッピングの実態把握」調査として、家計消費におけるネットショッピングによる商品・サービス別の購入額を調査し、2017年(平成29年)10月分の結果を取りまとめ、公表しました。(※)

2017年10月のネットショッピングの支出額は、1月以降10カ月連続で前年同月を上回りました。
全ての品目で支出額が前年同月を上回っています。
ネットショッピング利用世帯の支出額についても、前年同月比プラスに転じました。

調査より、以下のデータを確認します。
●一世帯当たりのネットショッピングの支出額(注1)
●ネットショッピング利用1世帯当たりの支出額(注2)
●ネットショッピングの利用世帯の割合
●ネットショッピング支出項目内訳

●支出額・利用世帯の割合
・一世帯当たりのネットショッピングの平均支出額は10,360円。前年同月の8,061円から2,299円増加、28.5%の増加となった。

・ネットショッピングを利用している世帯における、1世帯当たりのネットショッピングの平均支出額は29,305円。前年同月の28,943円から362円増加、1.3%の増加となった。

・ネットショッピングの利用世帯の割合は、35.4%となっている。前年同月の27.9%から7.5ポイント上昇した。
支出額・割合(h29.10).png
(注1) 「ネットショッピング」とは、インターネットを利用しての財(商品)・サービスの予約・購入のこと。インターネットを情報収集のみに利用した場合は含まず。
(注2) インターネットを利用して注文した世帯のみを集計し、平均した1世帯当たりの支出額。


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2017年12月05日

「お取り寄せグルメ」にみる食の志向

年末に向けて、2017年の振り返りのシーズンになってきました。
様々な「2017年〇〇大賞」が発表されますが、今回注目したのは「お取り寄せグルメ」です。

11月29日に、「おとりよせネット」を運営するアイランド(株)が、「みんなで選ぶベストお取り寄せ大賞2017」の受賞商品を発表しました。(※1)

この企画は、おとりよせネットユーザーが実際にお取り寄せして食べてみたいと感じた大賞推薦商品への投票と、おとりよせの達人(食の専門家)とメディア特別審査員による最終審査会で構成され、毎年4,400品以上がノミネートされるというもの。

2017年の受賞商品は、以下のものでした。

<総合大賞>「野菜のおいしさたっぷりの“食べる酵素ドレッシング”」
大阪や東京でオーガニックカフェの人気商品。原材料の60%以上が生の有機玉ねぎを使っている新感覚の食べる酵素ドレッシング。
お取り寄せ1.png


<準大賞>種類が豊富で食べやすく飽きがこない、新しい玄米おむすび
種類が豊富な玄米おむすびセット。コストパフォーマンスも高いので、自宅用から一人暮らし、お弁当にも最適。
お取り寄せ2.png


<準大賞>準大賞三連覇!審査員も絶賛の名古屋コーチンのとり鍋
弾力のある名古屋コーチンの正肉とふわふわのつくね、そして味わい深いスープが人気。野菜や稲庭うどんも付いているので、すぐに食べられる。
お取り寄せ3.png



このコンテストの審査の視点は、「食べたときどれだけ感動するか」という味の評価と、わざわざお取り寄せをする価値があるだけの土地や製法、出来上がるまでのストーリーやパッケージの完成度、話題性の評価となっています。

受賞商品について特に注目したのは、「酵素」とか、「有機玉ねぎ」とか、「玄米」といった、いかにも健康を意識した食材が選ばれていること。
準大賞三連覇の「名古屋コーチン」はブランド食材ということで王道だと思うのですが、今時は「グルメ」に「健康」要素は必須であることを象徴しているような結果だと思いました。

もっとも、審査する側の女性比率が高そうなので、より健康志向が高い傾向にあるともいえそうです。

矢野経済の調査によると、食品通販の市場規模は2020年度には3兆9,734億円(2015年度比117.7%)に拡大すると予測され、流通チャネル別の構成比では「お取り寄せグルメ」を含む「ショッピングサイト」が35.0%を占め、拡大傾向にあると分析しています。(※2)

消費者としては、ネットのお取り寄せの普及で、「美味しく」&「ヘルシー」な話題の食品を手軽に調達できるのは嬉しいことですね!

(※1)
おとりよせネット「ベストお取り寄せ大賞2017」受賞商品を発表 
(アイランド(株) 2017年11月29日)
 https://www.ai-land.co.jp/press/p-otoriyosenet/5117/
 http://www.otoriyose.net/best/

(※2)
食品通販市場に関する調査(2016年)
(矢野経済研究所 2016年11月16日)
 https://www.yano.co.jp/press/press.php/001615


≪関連記事≫
・2016年BtoC-EC市場規模15兆1,358億円。伸び率9.9%で勢い戻る
(経済産業省調査)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/453638013.html

・2016年度通販市場売上高6兆9,400億円。小売業に占める売上シェア、百貨店を上回る
(社団法人日本通信販売協会)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/453604311.html


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posted by Fides at 14:39| Comment(0) | 調査・統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする