2020年03月29日

悪質業者に対する徹底した法執行。景表法と特商法のダブル適用を行った行政の意図とは

令和元年の年度末となりました。
新型コロナウィルスの感染症拡大で大混乱ではあるものの、景表法や特商法の処分は手を緩めることなく出されています。

先日の記事では、景表法と特商法の同時、あるいは時間差でダブル処分となった2事案を取り上げました。

・大阪府、景表法と特商法の同時適用。健康機器のSF商法エコ関西に措置命令と業務停止命令 (大阪府 2020年3月18日)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/474232194.html

・健康被害の「ケトジェンヌ」、景表法で措置命令。ダイエット方法による体質改善訴求も優良誤認認定  (消費者庁 2020年3月19日)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/474263715.html

今回は、処分を受けた事業者の対応姿勢と、景表法と特商法のダブル適用を行った行政の意図について考えてみました。

一つ目の健康機器のSF商法(株)エコ関西については、他府県にまたがり高齢者を対象に多くの高額な金銭的被害に繋がった事案で、都道府県の持つ権限を最大限に活用した処分となっています。
両法を同時適用し、特商法により業務を停止させ、景表法により違反表示の差し止めと全国的に周知させることを命じました。

しかしながら、都道府県による特商法の適用なので、「大阪府外での販売は可能」となり、また、「訪問販売に関する業務のうち、食品を除く」という条件付きの業務停止命令となっているため、「訪問販売以外での(例えば通販など)販売は可能」、「大阪府内でも食品および健康食品の販売は可能」となります。

同社は、「この処分を極めて重大なことと受け止めている。これまでもコンプライアンスの 徹底を図っていたが、今回の処分を真摯に受け止め、さらに会社一丸となって徹底し、コンプライアンス体制の一層の強化と再発防止に努める」と、自社HPでお詫び掲載しています。

具体的な再発防止策として、以下の実施を掲げています。
1) 業界団体への加盟し、社員全員の知識と意識の向上を図るために「販売員身分証明書」取得の講習会を受講させる。
2) 代表取締役社長を委員長とした「コンプライアンス委員会」を設置し、業界団体と連携して、店舗における抜き打ち訪問や指導を行う。
3) 不招請勧誘に当たらない為の折り込みチラシの構成や見直し、法定書面(領収証・お申込売買契約書)等を全面的に改善する。
4) 対象商品の購入者に対し、新聞紙面や自社HP、各アフターフォローの「友の会」において、購入商品が 不当表示にあたる旨のお詫びと真摯な対応を行う。

エコ関西3.png

(株)エコ関西 令和2年3月18日 
大阪府による行政処分に関するお知らせ
http://eco-kansai.co.jp/ekinfo_gyosei.html


今後も引き続き、同社の対応を注視しておく必要がありそうです。

もう一つの事案、(株)TOLUTOに関しては、畳みかけるように注意喚起や処分がなされています。

2019年9月6日:
旧社名(株)e.Cycle時に、ダイエットサプリの「ケトジェンヌ」に対して消費者庁が社名公表を伴う消費者安全法に基づく身体被害の公表。
これに対して同社は、同製品の広告運用の中止と、第三者機関による安全性分析結果を公表し、販売継続。(同商品と健康被害の因果関係が認められず)

2019年12月26日:
商号変更(e.CycleからTOLUTO)及び代表取締役の変更後、化粧品の定期購入契約に関する表示(2019年5月16日〜同年11月7日)について、特商法違反で通信販売に関する業務停止命令(3カ月)と、同社の前代表取締役に対し業務禁止命令(3カ月)。

2020年3月19日:
「ケトジェンヌ」について、2019年8月2日の自社ECサイトの表示に対して、不実証広告規制による景品表示法違反(優良誤認)の措置命令。

日付を追うと、特商法と景表法を同じタイミングで処分できそうな気もしますが、先に特商法で通信販売の業務停止をさせつつ、時間差で景表法の処分を出することで「課徴金対象期間」を最大限の6カ月に持って行っているようにも思われます。

※「課徴金対象期間」=@+A
@課徴金対象行為(不当表示行為)をした期間
A「課徴金対象行為をやめた日」から(a)6か月を経過する日、又は、(b)「一般消費者の誤認のおそれの解消措置」をとった日のいずれか早い日までの間に、当該「課徴金対象行為に係る商品又は役務の取引をした」場合
→ @の期間(課徴金対象行為をした期間)に、当該「課徴金対象行為をやめてから最後に当該取引をした日までの期間」を加えた期間

※一般消費者の誤認のおそれの解消措置(誤認解消措置)とは
事業者が、課徴金対象行為に関する表示が優良・有利誤認に該当する表示であることを、日刊新聞紙に掲載する方法等により、誤認解消するために一般消費者に周知する措置のこと。


いずれにしても、悪質業者に対して徹底した法執行を行う姿勢を感じ取ります。


≪関連記事≫
・ダイエットサプリ「ケトジェンヌ」の健康被害と企業対応
http://blog.fides-cd.co.jp/article/470577906.html

・ネット通販定期購入の表示に特商法での処分 (株)TOLUTOと前代表取締役等に業務停止命令
http://blog.fides-cd.co.jp/article/473046680.html



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posted by Fides at 11:56| Comment(0) | 法改正・違反情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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