2019年04月20日

物販系BtoCeコマースの取引実態(3)【オンラインモール利用消費者の消費行動と小売業者の販売戦略】(公正取引委員会「消費者向けeコマースの取引実態に関する調査」(平成31年1月)

前回の記事では公取委が平成30年1月から同年11月にかけて実施した「消費者向けeコマースの取引実態に関する調査」(※1)
より、「オンライン販売による実店舗販売への影響」を取り上げました。

今回は「オンラインモール利用消費者の消費行動と小売業者の販売戦略」について、以下の項目を取り上げます。

●販売形態別購入頻度(消費者)(※2)
●購入先の選択基準(消費者)(※2)
●購入先の代替性(消費者)(※2)
●販売形態ごとの競争相手(小売業者)
●販売形態ごとの販売戦略(小売業者)

※2
消費者向けアンケート調査については,ウェブを利用したアンケートであること、また、オンラインモールでの購入を月1回以上行っている者を対象としており、回答者は消費者のうち比較的積極的にインターネットを活用している層であると考えられる。

●販売形態別購入頻度(消費者)
対象:オンラインモールを利用している消費者
オンラインモールと自社サイトと実店舗での購入頻度の差異について。
オンラインモールでの購入が多い: 59%
実店舗での購入が多い:36%
自社サイトでの購入が多い:5%

商品分野別にみると
「生活家電等」「書籍等」「スポーツ用品等」「玩具等」で、オンラインモールでの購入が多い傾向。
「飲食料品等」では,実店舗での購入が多い傾向。
EC取引実態調査(公取)_販売形態別購入頻度.png

●購入先の選択基準(消費者)
対象:オンラインモールを利用している消費者
オンラインモールと実店舗・自社サイトの選択に当たり重視する事項について。

オンラインモールと実店舗:
価格の安さ:75%
取扱商品が多い:53%
実店舗に出向く時間(手間)を省略したい:41%

オンラインモールと自社サイト:
価格の安さ:81%
取扱商品が多い:53%
取扱商品の品質が良い:32%
EC取引実態調査(公取)_購入先選択基準.png

●オンラインモールの選択理由
対象:オンラインモールを利用している消費者
購入先のオンラインモールの選択理由について。
価格の安さ:67%を
取扱商品の多さ:57%
会員サービス(ポイント付与,割引等)が充実:35%
EC取引実態調査(公取)_オンラインモール選択.png

●購入先の代替性(消費者)
対象:オンラインモールを利用している消費者
オンラインモールで販売されている全ての商品の価格が5%から10%程度上昇した場合の購買行動について。
オンラインモールで引き続き購入する:58%
オンラインモールでの購入量を減らし、実店舗での購入量を増やす:21%
オンラインモールでの購入量を減らす(実店舗又は自社サイトでの購入量は変えない。):14%
EC取引実態調査(公取)_オンラインモール代替性.png

●販売形態ごとの競争相手
対象:小売業者
自社の販売と競合すると考える相手について。
他の小売業者の同一販売形態を挙げる者が多い傾向。
EC取引実態調査(公取)_販売形態競合.png

●販売形態ごとの販売戦略
対象:小売業者
販売形態ごとに販売戦略として重視している事項について。
自社サイトでの販売:ウェブサイトの使いやすさ(47%)、品質(46%)、価格(41%)
オンラインモールでの販売:価格(57%)、品揃えの多様性(40%)、品質(37%)
実店舗での販売:顧客へのサービス(72%)、品質(60%)、価格(45%)
EC取引実態調査(公取)_オンライン販売戦略.png

オンラインモールを利用している消費者においては、その約6割がオンラインモールでの購入頻度が高く、8割近くが価格の安さを求めてオンライン販売を選択していることが分かりました。
しかし、オンラインモール販売の商品価格が5〜10%上昇しても、約6割が引き続きオンラインモールで購入するとしており、必ずしも、実店舗にスイッチしたり、購入を取りやめたりするわけではないようです。
他方、小売事業者側は、オンラインモール販売においては価格を最も重視しているものの、自社サイトでの販売においてはサイトのユーザビリティ(おもてなし)や品質を重視し、価格志向のオンラインモールではなく自社サイトを選んで購入する客を意識していることが読み取れます。
そして、実店舗での販売では、オンライン販売との差別化として顧客へのサービス、品質を重視する傾向が顕著となっています。



(※1)
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消費者向けeコマースの取引実態に関する調査報告書
(公正取引委員会 平成31年1月)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jan/190129_4houkokusyo.pdf

【調査対象・調査方法】
調査対象:
消費者が事業者からインターネットを介して購入する商品に関する取引
調査方法:
(1)事業者向けアンケート調査(平成30年1月〜2月)
 4,339名の事業者に対しアンケート調査票を送付し,1,208名(小売業者848名、メーカー360名)から回答(回答率27.8%)
(2)ヒアリング調査(随時)
 延べ117社(小売業者、メーカー、オンラインモール運営業者、価格調査会社・価格自動更新ツール提供業者・価格比較サイト運営業者)に対して実施
(3)消費者向けアンケート調査(平成30年9月)
 オンラインモールで月1回以上商品を購入している一般消費者2,000名に対して,インターネット上で実施
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調査・統計 : 調査・報告書
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http://blog.fides-cd.co.jp/article/179751313.html

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posted by Fides at 15:26| Comment(0) | 調査・統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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