2019年04月19日

物販系BtoCeコマースの取引実態(1)【オンライン販売を行う小売業者の取組状況】(公正取引委員会「消費者向けeコマースの取引実態に関する調査」(平成31年1月)

拡大と変化を続けるBtoCeコマース市場について、適正な市場競争を阻害する事象が懸念される中、公正取引委員会では、取引における公正かつ自由な競争を促進していく観点から、取引状況について情報収集を行っています。

公取委が平成30年1月から同年11月にかけて実施した「消費者向けeコマースの取引実態に関する調査」(※)では、メーカー、流通業者、オンラインモールとの間の取引条件、販売方法といった物販系BtoCeコマースに関する取引慣行全般について、実店舗販売に関する取引慣行とも比較しつつ調査しています。
また,eコマースにおいての消費者の消費行動についても調査しています。

本ブログでは、上記「消費者向けeコマースの取引実態に関する調査」より、ネット通販事業展開に特に参考となる「オンライン販売を行う小売業者の取組状況」「オンライン販売による実店舗販売への影響」「オンラインモール利用消費者の消費行動と小売業者の販売戦略」に関するデータをピックアップしてご紹介します。

今回は「オンライン販売を行う小売業者の取組状況」について、以下の項目を取り上げます。

●オンライン販売を行っている小売業者の販売形態
●オンライン販売のメリット・デメリット
●eコマースの発展・拡大がもたらす競争への影響
●オンライン販売事業の今後の方針

(※)
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消費者向けeコマースの取引実態に関する調査報告書
(公正取引委員会 平成31年1月)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jan/190129_4houkokusyo.pdf

【調査対象・調査方法】
調査対象:
消費者が事業者からインターネットを介して購入する商品に関する取引
調査方法:
(1)事業者向けアンケート調査(平成30年1月〜2月)
 4,339名の事業者に対しアンケート調査票を送付し,1,208名(小売業者848名、メーカー360名)から回答(回答率27.8%)
(2)ヒアリング調査(随時)
 延べ117社(小売業者、メーカー、オンラインモール運営業者、価格調査会社・価格自動更新ツール提供業者・価格比較サイト運営業者)に対して実施
(3)消費者向けアンケート調査(平成30年9月)
 オンラインモールで月1回以上商品を購入している一般消費者2,000名に対して,インターネット上で実施
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●オンライン販売を行っている小売業者の販売形態
販売形態:

オンライン販売を行っている小売業者について、オンライン販売のほか実店舗での販売も行っているのは 61%、オンライン販売のみが24%。
EC取引実態調査(公取)_販売形態.png

販売形態別の売上高の推移:
対象は、オンライン販売を行っており,かつ直近の5事業年度における年間総売上高並びに自社サイトでの販売及びオンラインモールでの販売の売上高の全てを回答した小売業者(計 88 名)。
会社全体の年間総売上高の大部分は、実店舗での販売が占めている。
実店舗での販売と自社サイトでの販売の売上高については,直近5事業年度においておおむね横ばいであるが、オンラインモールでの販売の売上高については,大きく増加している。
自社サイトでの販売の売上高は横ばいとなっているが、個別の小売業者ごとに見ると、5事業年度前と直近事業年度との比較で、10%超増加している事業者は 45 名、増減が+10%から−10%の範囲内の事業者は 19 名、10%超減少している事業者は 24名で、自社サイトでの販売の売上高が増加している小売業者が多い。
EC取引実態調査(公取)_販売形態_売上高.png


●オンライン販売のメリット・デメリット
オンライン販売のメリット:
オンライン販売を行うことによるメリットがあったが94%。
メリットの内容について、メリットがあった旨回答した者のうち「商圏や購入層が広がった」が90%、「時間の制約なく販売することができた」が72%であった。
EC取引実態調査(公取)_オンライン販売メリット.png

オンライン販売のデメリット:
オンライン販売を行うことによるデメリットがあったが 81%。
デメリットの内容について、デメリットがあった旨回答した者のうち「自社サイトの作成・運営やオンラインモールの利用に掛かるコストの負担が重い」が64%、「商品の発送や顧客との連絡に掛かるコストの負担が重い」が54%であった。
EC取引実態調査(公取)_オンライン販売デメリット.png

●eコマースの発展・拡大がもたらす競争への影響
影響の有無・内容
最近のeコマースの発展・拡大に伴い競争が激しくなったと感じるが77%。
競争が激しくなったと感じる点は、競争が激しくなったと感じる旨回答した者のうち「価格」が79%、「品揃え」が53%であった。
EC取引実態調査(公取)_競争状況.png

影響の有無・内容(商品分野別):
商品分野別にみると、特に「生活家電等(73%)」,「スポーツ用品等」(83%)において、価格面での競争が激しくなっている。
EC取引実態調査(公取)_競争状況_商品別.png

●オンライン販売事業の今後の方針

「自社サイトでの販売を増やしたい、又は、開始したい」が 57%。
「オンラインモールでの販売を増やしたい、又は、開始したい」は15%。
商品分野別にみると、特に「生活家電等」(22%)、「スポーツ用品等」(21%)において、「オンラインモールでの販売を増やしたい、又は、開始したい」が高い傾向。
EC取引実態調査(公取)_オンライン販売今後.png
EC取引実態調査(公取)_オンライン販売今後_商品別.png


調査に回答した小売事業者の約半数が自社サイト販売での売り上げが増加傾向にある中、自社サイト販売を強化する意向が高まっているようです。
価格や品揃での厳しい競争環境で、運営コスト負担を抱えながらも、新規顧客の獲得や販売機会の拡大の可能性を求めて、今後もオンライン販売事業は拡大することが予想されます。


次回は「オンライン販売による実店舗販売への影響」について、取り上げます。



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調査・統計 : 調査・報告書
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http://blog.fides-cd.co.jp/article/179751313.html

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posted by Fides at 14:16| Comment(0) | 調査・統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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