2019年03月01日

東京都サイバー薬事監視の取組(2)【フリーマーケットサイト(C to C)編】

急速に市場が拡大しているフリーマーケットやオークションサイトですが、出品が増えるにつれて薬機法に抵触する出品も多く見受けられるようになりました。

前回の記事では、消費者委員会の「第9回 オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会(2018年11月30日)」でヒアリングされた、東京都におけるサイバー薬事監視について、ショッピングモール(B to C)の薬事監視の現状を確認しました。

今回は、フリーマーケットサイト(C to C)の薬事監視について確認します。
個人間取引においては、B to C取引とは異なる特性を持つことから、都はフリマサイト運営企業と連携しながら、新たなアプローチを行っています。


●拡大するフリマ市場
2012年頃にサービスが登場し、2017年時点で4,835億円規模の市場に成⻑し、今後も拡⼤が予測されている。
スマホの普及を背景に、⼿軽なリユース取引の場として、不要となった⽇⽤品等が主として消費者間(CtoC)で売買されている。

●フリマサイト等の特徴と問題点
(1)家庭で不要になった医薬品の出品、個人輸入した医薬品等の転売されている
→医薬品の販売や輸入には原則として許可が必要であり、無許可で出品することは薬機法に抵触。こうした出品による健康被害のおそれがある。

(2)不適切な広告が見られる
例:アトピー治療を標ぼうした化粧品
→薬機法に抵触。健康被害のおそれがある。

(3)出品者の氏名、住所等を把握することが困難
出品者が薬機法に抵触する出品を行っていたとしても、すぐに行政が出品者へアクセスすることができない。
ショッピングモール(BtoC)では特商法に基づき広告主の氏名などの表示が義務付けられているので、それをもとに行政がその事業者に立入指導などの接触ができる。
→出品車に直接アクセスできるフリマサイト運営者の協力が求められる。

(4)取引量が多く、売買のスピードが速い
違法な出品を各フリマサイトに次々と行う出品者が存在し、違法な出品を表現するキーワードが次々と変化する。
→ショッピングモールへの監視体制以上に、効率的な体制構築が求められる。

(5)出品者に薬機法に対する認識が低い
フリマサイト等へ出品している個人は、薬機法の認識が十分でなく、悪意なく法令に違反してしまう。
→出品者への普及啓発が重要。

●フリマサイトでの不適切な出品ケース
(1)出品自体できない商品が出品されているケース
病院等で処⽅、交付された医療⽤医薬品や⾼度管理医療機器等が不要になり出品。
(例:⾃⼰注射⽤インスリン製剤、⾃⼰注射⽤注射針等)
これらは医薬品や管理医療機器に該当し、原則として薬局などの販売業の許可がなければ業として販売することはできない。
→医薬品医療機器等法第24条第1項違反、第39条第1項違反

(2)出品自体は可能だが、広告内容に問題があるケース
化粧品、医薬部外品、健康食品は、販売すること自体には許可は不要で、誰でも出品可能だが、広告が不適切。
化粧品や医薬部外品で、認められている効能効果を逸脱した標ぼうして出品
(例:この⼊浴剤で⼦供のアトピーが治った!)
→医薬品医療機器等法第66条第1項違反
健康⾷品で、医薬品的な効能効果を標ぼうして出品
(例:このサプリメントを飲んだら、ガンが消えました!)
→医薬品医療機器等法第68条違反

上記のような状況を踏まえ、都では、実店舗やインターネット上のショッピングモールへの監視指導については、長年のノウハウがあるものの、異なる特徴があるフリマサイトについては従来の薬事監視の手法だけでは対応が難しいことから、2018年6月より新たにフリマ・オークションサイトを運営する企業と連携し監視指導体制を強化しています。

●フリマサイト等の監視指導
(1)情報共有の実施(連絡会の開催)
フリマサイト等運営企業(6社)と定期的に連絡会を開催し、監視指導結果や最新の動向等を情報交換・共有する。運営企業各社の自主的な審査の向上・強化を図り、不適正な出品や広告の排除、防止につなげる。

(2)サイトパトロールの実施(随時)
都においてフリマサイト等を随時監視し、薬機法に抵触する出品を発見した場合には、直ちに運営企業へ削除要請し、迅速に排除する。

(3)一斉パトロールの実施(毎月)
都のサイトパトロールで発見・措置した品目等の情報を、全協力企業に提供。
各企業の自主審査により不適正な出品が発見された場合には、各企業で対応する。

【フリマサイト関連協力企業 6社】
(平成30年11月30日現在、50音順)
(1)株式会社ジモティー 【ジモティー】
(2)株式会社Stardust Communications 【SHOPPIES】
(3)株式会社メルカリ 【メルカリ】
(4)株式会社モバオク 【モバオク!】
(5)ヤフー株式会社 【ヤフオク!】
(6)楽天株式会社 【ラクマ】

東京都フリマ監視(CtoC).png


◆フリマサイト等に出品される医薬品等のパトロールを強化します
(東京都福祉保健局 2018年7月3日) 
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/07/04/01.html

●出品者への普及啓発活動
薬機法の認識が低く、悪意なく法令に違反してしまう出品者に対して、都では普及啓発用のホームページを作成し啓発指導をおこなっています。
また、フリマサイト関連協力企業が出品物を削除したり、広告是正する際に、出品者に理由を説明する際にも活用されています。

◆フリマ・オークションサイト(アプリ)で許可なく医薬品等を販売することはできません
(東京都福祉保健局)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/iyaku/koukokukisei/furimakisei.html

フリマサイトを運営するプラットフォーム事業者が、相当のリソースを割いて行政に強力的であることから、匿名性が高く、膨大かつスピードの速い出品環境での、不適正な出品や広告の排除、防止に功を奏していると言えるでしょう。


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第9回 オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会
(内閣府消費者委員会 2018年11月30日)
https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/online_pf/009/shiryou/index.html
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