2018年12月15日

食品販売の「通販・宅配」シェア8%。高まる食品企業のEC取組意向と物流課題 (日本政策金融公庫 平成30年7月食品産業動向調査)

ここ1〜2年の間、大手ITプラットフォームと小売りが連携して食品ECへ参入する動きが活発です。2017年にアマゾンが生鮮EC「Amazonフレッシュ」を開始し、2018年10月には楽天が西友と提携し「楽天西友ネットスーパー」をオープン。また、7月には料理レシピサービス「クックパッド」などを提供するクックパッドが、生鮮食品のECサービス「クックパッドマート」を発表しています。

「Amazonフレッシュ」、東京の一部地域でサービス開始
https://www.amazon.co.jp/gp/press/pr/20170421

楽天と西友、「楽天西友ネットスーパー」をグランドオープン
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2018/1025_01.html

クックパッド、生鮮食品ネットスーパー「クックパッドマート」発表!
2018年夏に東京の一部地域よりサービス提供開始
https://info.cookpad.com/pr/news/press_2018_0710

ITプラットフォーム系企業の動きも気になりますが、今回は、既存の食品関係企業のECへの取組み状況について確認してみます。

●国内の食品販売流通額に占める「通販・宅配」の割合は8%
農林水産省が9月5日に公表した農産物の流通に関する調査によると、各種統計から主要な食品小売業の飲食料品の売上高を合計して算出した市場規模は約36兆円。
業態別の商品販売シェアは「スーパー」が27%、「コンビニ」が21%、「専門小売店」が9%、「通販・宅配」が8%、「パン屋」が7%、「百貨店」「酒屋」がそれぞれ5%となった。
※「宅配」は生協の食品供給事業高(H23年、推計値)を含む。

業態別食品販売シェア.png


農水省は近年の食品流通構造について、次のようにまとめています。

食料品流通の統合・全国化が進む一方で、大規模な流通ルート以外にも、小規模生産者や、有機農産物など多様な消費者ニーズに対応するための流通経路として、ファーマーズマーケットや生鮮食料品分野でのインターネット通販など、多様な販売チャネルの構築に向けた動きも進んでいる。

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農産物流通等の状況に関する調査結果
(農林水産省 平成30年9月)
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kikaku/attach/pdf/180905-1.pdf
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日本政策金融公庫が、平成 30 年7月に全国の食品関係企業の電子商取引(EC)の取組み状況について調査しています。その結果、食品関係企業の 62.8%が EC※ に取り組み、そのうち 55.7%が「今後、取引を拡大していく」意向であることが分かりました。
※企業間(B to B)、企業−消費者間(B to C)等の取引形態は問わない。

●食品関係企業の販売額に占めるEC の割合は「20%以下」が半数
EC に取り組んでいる食品関係企業は62.8%。
食品関係企業の販売額に占める EC の割合は、「1%〜20%」が 51.9%、「20%超」が 10.9%となった。
販売額に占める EC の割合を業種別(製造業、卸売業、小売業)に見ると、卸売業は他業種に比べて「20%超」の割合が14.6%と高い一方で、「EC に取り組んでいない」割合も45.7%と高く、EC を活用している企業とそうでない企業が二極化している。
食品企業_EC取組割合.png


●EC に取り組む食品企業の約半数が EC の取扱いを拡大する意向
EC に取り組む食品企業の、今後の EC の取扱いに関する意向について「今後、取引を拡大していく」と回答した企業が55.7%。
「今後、EC 取引を拡大していく」と回答した企業の、販売額に占める ECの割合の目標を、「20%超」と回答した企業が 37.7%となった。(現状、18.4%)
食品企業_EC取組意向.png


●EC 拡大にあたって約65%の企業で物流面に課題あり
「今後、EC 取引を拡大していく」と回答した食品関係企業の物流面での課題を聞いたところ、「現状のままで対応可能」との回答は34.3%で、約65%の企業で物流面に課題あり。
課題の内容は、「共同輸送等、他企業との連携強化」(24.0%)が最多、次いで「新技術の導入(物流作業の自動化など)」(22.4%)、「労働力確保」(20.5%)。
特に、卸売業においては「共同輸送等、他企業との連携強化」を38.5%の企業が課題に挙げている。
また、小売業においては、物流作業の自動化や情報システムの高度化などの「新技術の導入」(28.4%)が最も多く、次いで「労働力確保」(27.0%)の回答が多い。
製造業は、「現状のままで対応可能」の回答が最も多く37.0%で、いずれの項目も全体合計をほぼ下回っている。
食品企業_物流課題_全体.png

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食品関係企業の電子商取引の取組み状況
(日本政策金融公庫 平成30年7月調査)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_181016a.pdf

調査時点 平成 30 年7月1日
調査方法 郵送により調査票を配布し郵送により回収
調査対象:全国の食品関係企業(製造業、卸売業、小売業、飲食業) 7,101 社
有効回収数 全体で 2,498 社 (回収率 35.2%)
《内訳》 製造業:1,640 社、卸売業:617 社、小売業:194 社、飲食業:47 社
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食品ECには、低い利益率や、特に生鮮食品では、商品の温度管理や配送の迅速さも要求されることから物流の困難さが伴い、EC化が出遅れてきた感がありますが、企業連携や新技術の導入に積極的に取り組みつつ、拡大していくことが予想されます。


≪関連記事≫
・2017年BtoC-EC市場規模16 兆 5,054億円。伸び率9.1%で引き続き拡大傾向
(経済産業省調査)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/460228338.html

・9割が食品のネット購入時に義務表示事項確認。情報を探して確認できなかった場合、76%がそのサイトで購⼊せず (消費者庁 平成28年8月)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/441472757.html

・ネット通販による食品購入経験は3割。未経験者の3割が利用意向あり
(日本政策金融公庫 平成28年1月)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/434770514.html


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posted by Fides at 14:04| Comment(0) | 調査・統計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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