2017年08月08日

ソフトバンク「いい買物の日」のキャンペーンで、Apple Watchのおとり広告に景表法措置命令。

消費者庁は7月27日に、ソフトバンク(株)が供給する「Apple Watch(第1世代)」に関する表示に対し、景品表示法の措置命令を行いました。
「いい買物の日」のキャンペーンにおいてApple Watchを販売する際、取扱店及び機種の一覧を掲載したWebサイトのリンクを記載していましたが、実際には在庫がない店舗や機種があり、取引に応じることができず、おとり広告とみなされました。

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ソフトバンク株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
 (平成29年7月27日 消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170727_0001.pdf
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【対象商品】
Apple Watch (第1世代)

【表示媒体】
自社Webサイト

【表示期間】
平成28年11月1日〜同月4日

【違反内容】
表示:
「いい買物の日 Apple Watch キャンペーン」「いい買物の日 2016年11月3日(祝・木)〜11月13日(日) おトクドッカーン! Apple Watch(第1世代)が! スペシャルプライスで買えるのは今だけ! 本体価格11,111円 表示価格は税抜です」「期間中、対象のApple Watchが11,111円でご購入いただけるキャンペーンです。ソフトバンクのApple Watch 取り扱い店舗にて、ご購入いただけます。」等と記載するとともに、Apple Watch取扱店及び機種の一覧を掲載したWebサイトのリンクを記載。
あたかも、同月3日〜13日までの間、本件485店舗において、対象商品を税抜11,111円で販売するかのように表示していた。

実際:
11月3日の本件キャンペーンの初日に、485店舗の各店舗において、対象商品を準備しておらず、それぞれ取引に応じることができないものであった。

注意文言の記載内容:
●自社Webサイトのキャンペーン概要記載ページ
以下の注意文言の記載。
「在庫がなくなり次第、終了となります。」(注意文言の記載方法が変化)
「商品によっては在庫がない場合もあります。Apple Watch取り扱い店舗でご確認ください。」(自社Webサイト内のキャンペーン対象機種一覧掲載ページ下部にも記載)
ソフトバンク1.png


●「いい買物の日」特設サイト(キャンペーン全体の紹介ページ)
「対象:Apple Watch(第1世代)在庫限り」と記載。

問題となったポイント:
「在庫がなくなり次第、終了となります。」
→キャンペーンの初日には、在庫が存在していることを前提としている記載である。

「商品によっては在庫がない場合もあります。Apple Watch取り扱い店舗でご確認ください。」
→「ない場合も」と記載している点で、各店舗において対象商品の在庫が存在していないことが例外であるかのような記載である。

「対象:Apple Watch(第1世代)在庫限り」
→キャンペーン概要記載ページとは別のウェブページに記載されており、在庫の数量について記載されていない。

上記の記載は、各店舗における商品の準備状況を明瞭に記載したものとはいえない。

不当表示となる「おとり広告」とは
景品表示法における「おとり広告」では、次のように、商品・サービスが実際には購入できないにもかかわらず、購入できるかのような表示を不当表示として規定しています。

(1)取引の申出に係る商品・サービスについて、取引を行うための準備がなされていない場合のその商品・サービスについての表示
(2)取引の申出に係る商品・サービスの供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明りょうに記載されていない場合のその商品・サービスについての表示
(3)取引の申出に係る商品・サービスの供給期間、供給の相手方又は顧客一人当たりの供給量が限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明りょうに記載されていない場合のその商品・サービスについての表示
(4)取引の申出に係る商品・サービスについて、合理的理由がないのに取引の成立を妨げる行為が行われる場合その他実際には取引する意思がない場合のその商品・サービスについての表示

「おとり広告に関する表示」(平成5年公正取引委員会告示第17号)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_17.pdf

本事案では、各店舗における商品の準備状況についての注意文言が記載されていましたが、(2)に抵触したものと考えられます。

同社は今回の処分についてのお知らせにおいて、次のように説明しています。
「キャンペーン実施にあたり、Apple Watch(第1世代)を対象に行った過去のキャンペーンの販売実績をもとに予測販売数量を算出し、1,128台の在庫を取扱店485店舗のうち306店舗に配分して準備するとともに、Webサイトに在庫に関する注意文言を表示することで、お客さまに迷惑をかけることにはならないと認識していたが、予測を大きく上回る反響があり、お客さまの要望に応えられない事態が発生した。」

キャンペーンの一部広告表示に関する措置命令についてのお詫びとお知らせ
(ソフトバンク(株)HP  2017年7月27日)
https://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2017/20170727_01/

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『いい買物の日』は、ヤフー、ファミリーマート、ソフトバンク、TSUTAYA、Tポイント・ジャパンの5社が、2015年に11月11日を「いい(11)買物の日」と定めた「お買物の祭典」です。
リアル・ネット双方の各店舗・サービスで、大規模セールやキャンペーンを行い、2016年はソフトバンク(株)・ヤフー(株)のグループ企業のほか、(株)ファミリーマート、(株)ニッセン、(株)キタムラ、夢の街創造委員会(株)、(株)ドトールコーヒー、(株)ロッテリア、(株)吉野家、ニッポンレンタカーサービス(株)、メルセデス・ベンツ日本(株)、(株)ジョイフル本田、(株)三越伊勢丹ホールディングスなどが参加しました。
ヤフーによると2016年の「いい買い物の日」当日の「ヤフーショッピング」の流通額は日次取扱高の過去最高を更新したとされています。

ネット販売におけるセール時の不当表示は、過去においては「楽天市場」で、2013年11月の楽天イーグルス日本一記念セールでの出店店舗による不当な二重価格表示問題もありました。

消費者の購買意欲が高まるセールやキャンペーン。
キャンペーンを盛り上げるため、目玉となる魅力的な価格の商品をそろえる必要がありますが、無理な企画とならないよう留意していただきたいと思います。

ヤフーの仮想モール 「いい買物の日」で日次売上の記録更新へ
(通販新聞 2016年11月17日)
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2016/11/post-2684.html


≪参考記事≫
・消費者庁、楽天に二重価格表示で要請。仮想モール事業者の出店店舗に対する管理責任とは(消費者庁:平成26年4月30日)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/396520098.html

・東京ガスのガス展」のチラシ広告にに景表法措置命令。二重価格による有利誤認表示(東京ガス)、おとり広告(ガス機器販売業者2社) (消費者庁:平成29年7月11日)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/451910366.html

・イズミヤ、牛肉商但馬屋に景表法「おとり広告」措置命令。スーパーのテナントへの管理責任(消費者庁:平成28年12月21日)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/445786586.html
posted by Fides at 08:00| Comment(0) | 法改正・違反情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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