2017年07月27日

国セン、プエラリア・ミリフィカを含む健康食品に注意喚起。厚労省、調査開始(国民生活センター商品テスト 2017年7月)

「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品に関する健康被害の相談が増えています。
プエラリア・ミリフィカとは、俗に「豊胸によい」、「肌によい」、「若返りによい」などと言われていますが、健康食品に配合されることのある貯蔵根は、国内では「医薬品的効能効果を標榜しない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」と区分されています。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、プエラリア・ミリフィカを含む健康食品の危害情報が2012年以降の5年間で209件寄せられており、特に15年以降に増加しています。
また、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所が実施した調査においても、「プエラリア・ミリフィカ」の利用者の中に体調不良が生じている事例が報告されています。

そこで、(独)国民生活センターでは「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品12銘柄について調査し、7月13日に情報提供・注意喚起等を行いました。(※1)
今回は、プエラリア・ミリフィカを含む健康食品に関する危害状況と、国民生活センターが行った商品テストについて確認し、品質管理や表示、広告の注意ポイントをチェックしましょう。

PIO-NETに寄せられた危害の概要:
【危害件数】

プエラリア・ミリフィカを含む健康食品に関する危害情報は、2012年度以降の5年間あまりで209件(2012年4月以降受付、2017年4月末日までの登録分)寄せられている。特に2015年度より急増し、2015年度及び2016年度は年間100件近く寄せられている
(図1参照)。
プエラリア_危害件数png.png

【危害内容】
性別:
ほぼ全員が女性。
年齢別:
20 歳代が 69 件(33%)、 40 歳代が 42 件(20%)、30 歳代が 41 件(20%)、10 歳代が 37 件(18%)(図 2 参照)。
購入方法:
全員が通信販売により購入。
危害内容:
嘔吐、腹痛、下痢などの「消化器障害」が76件。発疹、じんましんなどの「皮膚障害」が59件。月経不順または不正出血といった月経に関する健康被害が33件(図3参照)。ホルモンバランスが崩れていると診断されている事例や、当該健康食品の摂取をやめるよう医師から指導されている事例も複数みられた。
販売時には特定の期間、毎日摂取し続けて効果がない場合には返金する旨が示されているものもあり、体調不良が起こっても消費者が飲み続けている事例もあり。
プエラリア_危害年代、内容png.png

プエラリア・ミリフィカについて:
【成分について】

・プエラリア・ミリフィカの貯蔵根には、女性ホルモン様の作用のある物質(植物性エストロゲン)として、デオキシミロエストロールやミロエストロール、大豆にも含まれているイソフラボン類、プエラリン、クワクリンといった成分が含まれている。
・デオキシミロエストロールやミロエストロールには、イソフラボン類よりも約 1,000〜10,000 倍強いエストロゲン活性があると報告されている。
・プエラリア・ミリフィカに含まれる成分は、産地や収穫時期、植物の年齢によってかなり幅があり、それを含む製品についても、含有成分量にかなりの幅がある。現時点でプエラリアの安全な摂取量についてはまだよく分かっていない。
(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報)

【摂取に関する注意】
・ヒトにおける安全性については、有害事象として乳房痛、膣出血、イライラや頭痛、吐き気、嘔吐などが認められたという報告がある。
・プエラリア・ミリフィカを含むサプリメントの摂取によって一定した女性ホルモン様の作用が期待し難く、また、デオキシミロエストロールやミロエストロールが多量に含まれる製品の利用により、重篤な有害事象を受ける可能性がある。
・従って、妊娠中・授乳中・小児によるプエラリア・ミリフィカを含むサプリメントの利用は避け、女性ホルモン関連の医薬品の服用者や治療を受けている人も、自己判断で安易にサプリメントを利用することは避けるべきである。
(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報)

テスト対象銘柄:
2012年 12月から10月に、Googleや楽天市場、Amazon.co.jp、Yahoo!ショッピングのサイトにおいて「プエラリア サプリメント」、「バストアップ サプリメント」、「豊胸 サプリメント」といった語句の組み合せで検索した際に上位に表示されたもののうち、プエラリア・ミリフィカが、配合量の多い順に記載されている原材料表示の上位3番目までに入っていた計12銘柄。(表1参照)
(PIO-NETの危害事例にあった銘柄を選定したということではない)
プエラリア_テスト銘柄png.png


商品テスト結果:
【成分について】

・各銘柄のエストロゲン活性を非臨床的に培養細胞によって調べたところ、12銘柄中10銘柄(No.1〜4、6、8〜12)で活性がみられた。
・強いエストロゲン活性を持つデオキシミロエストロール、ミロエストロールについて、12銘柄中3銘柄(No.3、6、11)で、一日最大摂取目安量当たりに身体へ作用を及ぼす可能性があると考えられる量が含まれていた。
各成分を1日10μg 程度も継続的に摂取すれば、身体的な作用が発現すると推測され、3 銘柄(No.3、6、11)には、これよりも多く含まれており、身体へ作用を及ぼす可能性が考えられる(図4参照)。
プエラリア_テスト結果1.png

・一日最大摂取目安量当たりのプエラリンの量が突出して多いものが1銘柄あり。
・体内で分泌されたり、医薬品として使用されるエストロゲンが添加されている銘柄はなし。
・12銘柄中3銘柄柄(No.4、5、8)は医薬品に定められている時間までには崩壊せず、摂取した際に成分の溶出や吸収等が安定しない可能性があった。

【表示・広告について】
商品のパッケージ、付属の説明書や冊子及び、販売者のホームページ、直販サイトとそれらのリンク先に記載されている各銘柄の表示・広告を調査した。

プエラリア・ミリフィカ配合量の表示・広告:
・商品パッケージでは、12銘柄中4銘柄(No.2、4、5、8)には配合量の記載あり。
・販売者のウェブサイトでは、12 銘柄中 10銘柄(No.1〜5、7〜9、11、12)には配合量の記載があったが、5 銘柄(No.3、4、7、11、12)は、表示されている配合量がどのくらい当たりの配合量なのか、またはどのような形状でのものなのかが不明。
・商品パッケージ等には記載がなく、販売者のウェブサイトからしか配合されているプエラリア・ミリフィカの形状と配合量が分からなかったのは 5 銘柄(No.1、7、9、11、12)で、そのどちらからも分からなかったのは、2 銘柄(No.6、10)。


プエラリア・ミリフィカや商品に関する表示・広告:
商品パッケージ等では11銘柄中2銘柄で、販売者のウェブサイトでは10銘柄中6銘柄で健康保持増進効果等と受け取れる記載による、医薬品医療機器等法、健康増進法、または景品表示法に抵触するおそれがあった。
●原材料であるプエラリア・ミリフィカについて、うたわれている効果
・商品パッケージ等:11銘柄中1銘柄(No.9)。
「年齢によって体のリズムが乱れがちな女性をサポートします」(No.9)
・販売者のウェブサイト:11銘柄中2銘柄(No.2、12)
「タイやミャンマーでは“若返りの薬”として古くから言い伝えられています」(No.12)

●各銘柄について、うたわれている効果
・商品パッケージ等:11銘柄中2銘柄(No.9、10)。
「乳腺も栄養も同時にサポート」(No.9)。
・販売者のウェブサイト:10銘柄中4銘柄(No.3、4、10、11)
「豊潤なバストとダイエットは両立できます。豊潤なボディを実感するのに1ヶ月もかかりません!※体験談等によるアンケート結果 あなたは欠かさず『飲む』だけ」(No.4)
といった摂取するだけで豊胸や痩身が可能と受け取れる記載など。

そのほか、ほとんどの銘柄の商品パッケージ等や販売者のウェブサイトでバストアップを示唆するような写真やイラスト、モニター等の体験記や口コミが記載されていた。

1 銘柄(No.12)の商品パッケージ等で、「Thai Medical Herb Association(タイ国厚生省食品医薬品局)より AAA(トリプルエー)の認定を受けています」のように機関名の和訳が誤って記載されていた。

摂取に関する注意表示・広告:
11銘柄中すべての銘柄で、病気治療中の方の摂取に関する注意表示がみられたが、妊娠中、授乳中の方の摂取については表示がみられない銘柄もあり。
●病気治療中の方の摂取に関する注意表示(医師等に相談してから摂取するか、摂取はしない)
・商品パッケージでは、すべての銘柄に注意表示あり。
●妊娠中、授乳中の方の摂取についての注意表示(摂取を控えるか、摂取前に医師等に相談する)
・商品パッケージ等では、11銘柄中8銘柄(No.1、2、4〜7、10、11)で妊娠中の方、7銘柄(No.1、2、5〜7、10、11)で授乳中の方に注意表示あり。
・販売者のウェブサイトでは、10銘柄中6銘柄(No.1、5、7、10〜12)で妊娠中及び授乳中の方に注意表示あり。
●その他の注意表示
・商品パッケージ等では、2銘柄(No.1、5)では特定の疾患(婦人科系疾患)がある方は摂取しないよう注意表示あり。1銘柄(No.6)で中高用量ピルとの併用は不可だが、低用量ピルならば併用してもよいとの記載あり。
・販売者のウェブサイトでは、1 銘柄(No.5)では特定の疾患(婦人科系疾患)がある方は摂取しないよう、3銘柄(No.10〜12)で女性ホルモン剤服用中は摂取を控えるか、医師等に相談するよう注意表示あり。

GMP(Good Manufacturing Practice、適正製造規範)に関する表示・広告:
・商品パッケージ等にはGMPマーク等の表示なし。
・販売者のウェブサイトでは、10銘柄中6銘柄(No.1、2、4、5、7、12)の販売者のウェブサイトにはGMPに従って製造されている旨の記載あり。

販売者へのアンケート調査結果:
各社のテスト対象銘柄について、対象者や原材料の配合量等の商品設計について、アンケート調査を実施したところ、12 社中5社から回答あり。

・各銘柄の一日摂取目安量は、5社中4社が購入元や製造元の事業者からの情報を参考にして決めており、活性が強い成分の量や活性の強さを調べているとの回答なし。
・5 社すべてで妊娠中、授乳中、女性ホルモンに関わる病気の治療中の方は摂取をしないほうが良いとの回答。
・ある特定の部位に作用すると回答した販売者なし。

商品テストの結果を受け、厚生労働省はプエラリア・ミリフィカを含む食品を製造・販売・輸入する食品等事業者に対する監視指導と調査を、各都道府県、保健所に要請しています。
内容は、適性製造規範(GMP)遵守、原材料の含有成分の適切な管理をすることおよび健康被害事例報告です。(※2)
同時に消費者庁から各都道府県等宛てに健康被害の相談情提供依頼、厚生労働省から関係団体宛てに監視指導への協力要請の通知を発出しています。

食品事業者への監視指導で8月4日までに集まった調査結果を基に、プエラリアに対する対応が議論されることとなります。
今後の動きに注意が必要です。


(※1)
美容を目的とした「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品
−若い女性に危害が多発!安易な摂取は控えましょう−
(国民生活センター 2017年7月13日)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20170713_1.pdf

(※2)
プエラリア・ミリフィカを含む健康食品の取扱いについて
(厚生労働省 平成29年7月13日)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/pueraria-letter_1.pdf
≪参考記事≫
・国民生活センターの商品テストや情報公開を、前向きに活用しよう
http://blog.fides-cd.co.jp/article/285497072.html

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posted by Fides at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正・違反情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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