2017年02月16日

増える「水素水」に関する消費者相談。溶存水素濃度と効能効果(国民生活センター商品テスト 2016年12月)

最近、人気の「水素水」ですが、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、飲用する水素水に関する相談が2011年度以降2016年9月末日までの登録分で2,260件寄せられており、年々増加しています。
国民生活センターでは、消費生活センターからの、「水素水生成器を購入したが、水素水ができているのか疑わしいので調べてほしい。」等の依頼を受け、商品テストを実施し、2016年12月15日にその結果を公表しました。

テストでは、商品のパッケージ、取扱説明書、付属のパンフレット及び、販売元等のホームページや直販サイトの溶存水素濃度等の表示・広告を調べ、それらの値が消費者が飲用する時点での目安になるのか、また、表示のないものや、開封後や生成後にすぐに飲まなかった場合の濃度を調べるとともに、事業者へのアンケート調査を行っています。

報告書では、水素水について、公的な定義や溶存水素濃度の基準はないとしながら、その効果について国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」の以下の内容を記載しています。
・俗に、『活性酸素を除去する』『がんを予防する』『ダイエット効果がある』などと言われているが、ヒトでの有効性について信頼できる十分なデータが見当たらない。
・現時点における水素水のヒトにおける有効性や安全性の検討は、ほとんどが疾病を有する患者を対象に実施された予備的研究であり、それらの研究結果は、健康な人が市販の多様な水素水の製品を摂取した時の有効性を示す根拠になるとはいえない。
・水素分子(水素ガス)は腸内細菌によって体内でも産生されており、市販の多様な水素水の製品を摂取した水素分子の効果については、体内で産生されている量も考慮すべきとの考え方がある。


国民生活センターの商品テスト結果を確認します。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)相談状況:
2011年度以降受付、2013年度から年々増加しており、2016年度の9月末日時点で372件となっており、2015年度の同時期の件数249件を上回っている。
水素水_PIO-NET.png


【品質、表示・広告等に関する主な事例】
・水素水を飲むと、体が活性化して健康にいいと知人に勧められ、1年以上前から飲んでいる。商品には水素濃度が表示されているが、開封時にシュッと音がするので、かなりの水素が抜けていると思う。事業者に電話で問い合わせたが、開封時の数字は測ったことがないので分からないと言われた。
・水素水生成器で水素水が作れるのか自分では判断できないので、商品を信用できるか心配だ。
・ネット通販で水素水のアルミパックを定期購入している。ネットでは水素が含まれていないものもあるという情報があるが、本当か。
・ボトルに水を入れスイッチを押すと、泡が出て水素水ができるのだが、本当に水素水ができているのか疑問。

テスト実施期間:
検体購入:2016年9月〜10月
テスト期間:2016年9月〜11月

テスト対象銘柄:
容器入り10銘柄(アルミパウチ6、アルミボトル2、ペットボトル2)表1、写真1
生成器9銘柄(スティック型2、携帯型3、据置型2、蛇口直結型2)表2、写真2
水素水_銘柄_容器.png
水素水_銘柄写真_容器png.png

水素水_銘柄_生成器.png
水素水_銘柄写真_生成器png.png

選定方法:
東京都及び神奈川県内の大手量販店、コンビニエンスストア、ドラッグストア等での予備調査を参考に、インターネットの大手通信販売サイト(楽天市場、Amazon.co.jp、Yahoo!ショッピング)において、「水素水」、「水素水生成器」で検索した際に、タイプ別に「売れている順」などで、上位に多く表示され、消費者が目にする機会が多いと考えられるものを選定。
テスト対象銘柄はPIO-NETの事例にあった銘柄を基に選んではいない。

テスト結果:
1) 溶存水素濃度等に関する表示・広告、測定結果

容器入り:
・10銘柄中7銘柄のパッケージには、「高濃度」など、溶存水素濃度が高いことがうたわれており、溶存水素濃度の表示があった。
・溶存水素濃度表示に、充填時や出荷時と記載のあった5銘柄のうち3銘柄で、表示値より測定値の方が低い濃度だった。
・パッケージに表示のない3銘柄のうち、ペットボトルの2銘柄では溶存水素(水素ガス)は検出されなかった。
・開封時に溶存水素が検出された8銘柄を、未開封のまま20℃で1カ月間保管したところ、全ての銘柄で溶存水素濃度がやや低下していた。
(10銘柄中6銘柄で、冷暗所で保存する旨の表示があったが、店頭や倉庫などでは冷蔵で保管していない場合もあることを想定)
・上記8銘柄を、開封後に蓋を閉めて放置した場合には、溶存水素濃度が5時間後には30〜60%程度に、24時間後には10%程度に低下した。
(10銘柄中8銘柄で、開封後はすぐに飲みきる旨の表示あり)
・アルミパウチの6銘柄で、開封後、空気を抜いて蓋をし、約20℃で放置したところ、5時間後には90%以上、24時間後でも70〜90%程度と、空気を抜かない場合に比べ、溶存水素濃度の低下が大きく抑えられた。
生成器:
・9銘柄中5銘柄で、取扱説明書等に溶存水素濃度の表示があった。
・上記5銘柄のうち3銘柄で、表示値より測定値の方が低い濃度だった。
・半数以上の銘柄で取扱説明書等には、水質や水量、生成時間等により値が変わる旨の記載もあり。
・生成器で作った水をコップに移し替えると、1時間後に溶存水素濃度が約50〜60%に低下した。

2) 効能効果等に関する表示・広告
水素や水素水に期待されている効能効果に関する記載:
・販売元等のホームページや直販サイトに、容器入りは10銘柄中8銘柄で、生成器は9銘柄中7銘柄で、記載あり。
・そのうち、容器入り5銘柄、生成器7銘柄で、健康保持増進効果等と受け取れる記載があり、医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれ。
商品についての記載:
・販売元等のホームページや直販サイトに、容器入りは10銘柄中全てで、生成器は9銘柄中7銘柄で、商品の利用対象者、場面についての記載あり。
・そのうち、容器入りの4銘柄、生成器の2銘柄で、健康保持増進効果等と受け取れる記載があり、医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれ。
・また、商品のパッケージに生成器の1銘柄で、同様の記載あり。

3)事業者へのアンケート調査
・回答のあった全ての事業者(17社)で、水素の溶存や濃度を確認していましたが、方法は様々。
・想定する溶存水素濃度で飲用するためには、開封後や生成後は、速やかに飲むとの回答が多く、アルミパウチの銘柄の6社全社で「飲みきれない場合は、空気を抜いてしっかり蓋を閉める」という回答。
・水素水の飲用により期待できる効果は、「水分補給」が最も多い回答。
・自社商品の水素水や生成器で作った水の機能性について調査、研究していると回答したのは、17社中9社。

以上の商品テスト結果より、水素水を販売されている事業者の方は、次の点に留意してお客様への情報提供を今一度チェックされるとよいでしょう。

●販売元等のホームページや直販サイト、商品のパッケージの、飲用により疾病の予防や健康の維持、増進効果の広告表示に注意する。
●容器入り水素水のパッケージに溶存水素濃度を表示する場合は、賞味期限まで保証できる濃度を記載する。
●水素水生成器の取扱説明書や付属のパンフレット等に溶存水素濃度の表示する場合、使用する水質や水量により変わる旨の記載だけでは、どう変わるかが分からない。表示により具体的な情報提供を。


今回の商品テストを受け、調査対象となった水素水および水素水生成器メーカーからは、対象銘柄の選定理由や、水素ガス濃度の測定方法に関する意見が多く出されています。

次回は、国民生活センターの商品テスト方法や見解について確認します。

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容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」
−「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です−
(国民生活センター 2016年12月15日)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20161215_2.pdf
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≪参考記事≫
・国民生活センターの商品テストや情報公開を、前向きに活用しよう
http://blog.fides-cd.co.jp/article/285497072.html

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posted by Fides at 17:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 顧客サービス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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