2016年08月15日

通販事業者の顧客対応トラブル相談、対前年比19.6%増。顧客対応部門のみならず、全部門で消費者視点を(JADMA 2015年度の事業者相談件数)

2015年度に公社)日本通信販売協会「通販110番」に寄せられた、通販事業者(会員、非会員)からのトラブル相談から、最近の通販事業者のトラブル相談の傾向について確認してみました。(※)

15年度は、「顧客対応」相談、「顧客対応以外」の相談ともに増加しています。「顧客対応」相談では、「請求・督促」「悪質顧客対応(詐欺等犯罪含む)」に関する相談件数が増加、「顧客対応以外」の相談では、法規制について現行の規制内容及び、改正論点についての問い合わせが増えています。

●2015年度 事業者相談件数
事業者相談件数(2015JADMA).png
15年度に寄せられた相談件数は529件で前年度比13.3%の増加(2014年度467件)。
相談内容内訳では、「顧客対応」が298件で前年度比18.3%増(2014年度252件)、「顧客対応以外」が231件で前年度比7.4%増(2014年度215件)。相談比率はそれぞれ、56.3%、43.7%だった。

●顧客対応の内容(複数集計)
顧客対応内訳(2015JADMA).png
(相談内容は、複数の要素が含まれるため、複数集計)
「顧客対応」の相談内容合計は323件、対前年比19.6%増(2014年度270件)。
「規定外返品・返金・その他過剰要求」と、類似項目である「商品二次被害補償(拡大損害)」の二項目で「顧客対応」相談全体の28.5%を占め、その1/3が「化粧品」使用による皮膚トラブルや「いわゆる健康食品」による健康被害を訴えるものとなっている。

それ以外に件数が多く増加が目立つのは、「請求・督促」49件、対前年比88.5%増(2014年度26件)。「悪質顧客対応(詐欺等犯罪含む)」32件、対前年比52.4%増(2014年度21件)。

1位:「規定外返品・返金・その他過剰要求」
79件(24.5%)、前年同(2014年度79件(29.3%))。
内容は、「購入時期からかなりの年数が経過して一般的には対応困難と思われるものについての返品・返金要求」、「受注発注品の製造着手後の取り消し」、「自社以外の販売ルートで入手した製品の補償」など。
2位:「請求・督促」
49件(15.2%)、対前年比88.5%大幅増(2014年度26件(9.6%))。
クレジットカードの不正利用によるカード会社からチャージバック要求、夫婦の一方が夫または妻のカードを使用して申し込むことの可否、「取り込み詐欺」等、通常の請求・督促では解決が困難なケースなど。
3位:「個人情報管理」
39件(12.1%)、前年同(2014年度39件(14.4%))。
例年多い、個人データの利用停止または消去を求められたときの対応以外に、個人情報開示・訂正請求(顧客からの受注・問い合わせ時の録音含む)があった場合の本人確認の方法についての相談、認知症が進行しつつある長年の優良顧客に関しての対応相談等。
4位:「悪質顧客対応(詐欺等を含む)」
32件(9.9%)前年度比52.4%大幅増(2014年度21件(7.8%))。
後払いによる「取り込み詐欺」が目立つ。「いわゆる健康食品」、「化粧品」販売の企業に集中する傾向。
5位:「広告内容・表現」
25件(7.7%)前年度比25.0%増(2014年度20件(7.4%))。
金額を少なく表示し、受注後に価格の間違いに気づき、訂正を申し出た時に苦情となるケース。「送料無料」と表示した商品と「送料別」と表示した商品を合わせて受注した際、有料とする場合に苦情となるケース。
7位:「商品二次被害補償(拡大損害)」(「規定外返品・返金・その他過剰要求」の類似項目)
13件(4.0%)、前年度比25.5%減(2014年度17件(6.3%))。
購入した製品の不具合により損害を被ったため、常識を超えた多額の賠償を求めるなどのケース。

●顧客対応以外の内容(複数集計)
顧客対応以外内訳(2015JADMA).png
「顧客対応以外」の相談内容合計は253件、対前年比6.8%増。(2014年度237件)。

1位:「法規制情報」
89件(35.2%)前年度比17.1%増(2014年度76件(32.1%))。
特定商取引法の返品に関する事項の表示方法やアウトバウンド営業を行う際、継続的取引関係にある顧客に対しての、電話勧誘販売規制から適用除外される「販売方法」に関する相談が多い。
2位:「販売方法」
31件(12.3%)前年度比24.0%増(2014年度25件(10.5%))。
3位:「広告内容・表現記載」
24件(9.5%)前年度比40.0%減(2014度40件(16.9%))。
TVショッピング参入の勧誘を目的に「詐欺まがいの強引な営業行為」。

なお、「その他」の相談が68件(会員18件、非会員50件)で、非会員の中小の通販業者に対して「詐欺まがいの強引な営業行為」に関する相談、「詐欺サイトに自社ホームページをコピーされた」など、事業者が被害者となるトラブル相談が散見された。

協会では、以下のようにコメントしています。
行政機関の諸費者保護政策も相まって、消費者が事業者に対してレベルの高い要求を行うケースが増えている。しかも消費者の価値観の多様化により、マニュアル通りの対応で解決できにくくなっている(同じ事案でも消費者の価値観によりトラブルになるケース、ならないケースもある)。企業は顧客対応部門のみならず、商品開発部門、広告部門、販売部門、法務部門、その他管理部門など全部門で消費者視点を持つことが重要。
ただし、顧客の主張内容が「社会通念上、許容される範囲を超えている」、または顧客の言動が「円滑な企業活動を妨げる」などの支障を生じさせている場合は、毅然とした対応が必要である。


顧客が何を求めているかを注意深く聞き取り、理解する能力が求められます。
専門家に相談するのも一つの手段です。

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(※)
(社)日本通信販売協会 通販110番「2015年度 事業者相談件数とその概要」
(ジャドマニューズ2016年6月)
http://www.jadma.org/pdf/news/2016_06.pdf

≪過去記事≫
・通販事業者の顧客対応トラブル相談(JADMA 2014年度の事業者相談件数)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/421668327.html

・通販事業者の顧客対応トラブル相談(JADMA 2013年度の事業者相談件数)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/367352810.html

・通販事業者の顧客対応トラブル相談(JADMA 2012年度の事業者相談件数)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/367352810.html

・通販事業者の顧客対応トラブル相談(JADMA 2011年度の事業者相談件数)
http://blog.fides-cd.co.jp/article/283295624.html
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posted by Fides at 09:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 顧客サービス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
クレジットカードの不正利用によるカード会社からチャージバック要求が増えてますね。
2016年第一四半期で既に37億円、前年同期からは39.6%の増加、その大半はネット、非対面の決済です。
クレジットカードの不正利用による金銭的被害は、基本的に店舗が負うことになってます。
これは、店舗がクレジットカードを取り扱う加盟店契約において、カード利用者の本人確認をおこなう責務は店舗にある、としているから。
不正利用があれば、それは店舗が本人確認の責務を怠ったことになり、クレジットカード会社は店舗からの売上請求を拒否します。(チャージバック)
このチャージバックリスクを店舗が回避するには、3Dセキュアと呼ばれる本人確認の仕組みを導入するしかありません。
店舗が3Dセキュアを導入すると、本人確認の責務はカード会社側に倒れます。これをライアビリティシフトっていいますね。
この場合、金銭的被害はカード会社が負います。
Posted by sophie at 2016年08月21日 11:54
sophieさん 『CS情報局』を運営しているフィデスです。
コメントありがとうございます。
詳しいご説明ありがとうございます!

>sophieさん
>
>クレジットカードの不正利用によるカード会社からチャージバック要求が増えてますね。
>2016年第一四半期で既に37億円、前年同期からは39.6%の増加、その大半はネット、非対面の決済です。
>クレジットカードの不正利用による金銭的被害は、基本的に店舗が負うことになってます。
>これは、店舗がクレジットカードを取り扱う加盟店契約において、カード利用者の本人確認をおこなう責務は店舗にある、としているから。
>不正利用があれば、それは店舗が本人確認の責務を怠ったことになり、クレジットカード会社は店舗からの売上請求を拒否します。(チャージバック)
>このチャージバックリスクを店舗が回避するには、3Dセキュアと呼ばれる本人確認の仕組みを導入するしかありません。
>店舗が3Dセキュアを導入すると、本人確認の責務はカード会社側に倒れます。これをライアビリティシフトっていいますね。
>この場合、金銭的被害はカード会社が負います。
>
Posted by Fides at 2016年08月21日 22:17
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